2006年09月08日

出てこい!競輪界の「佑ちゃん」:川尻将志

 たった1人、傑出したスターの出現が大きな流れを作る。今年夏の高校野球は早実のハンカチ王子こと、斎藤佑樹投手(3年)が大ブレーク。大会終了後も連日ワイドショーに取り上げられるフィーバーぶりで、これまで高校野球には無関心だった主婦層からも幅広く支持され、いまだに一大ブームを築いている。

 スポーツ界だけでなく、人気低迷が続く競輪界にとっても、巻き返しの起爆剤としてスターの出現が必要不可欠。強さはもちろんだが、それ以上のプラスアルファを持った存在。車券の勝ち負けを度外視してでも応援したくなる選手がいれば…。ここ数年はF1先行の吉岡稔真以来、それだけの存在感を持った選手は見当たらない。

 しかし、スターの出現を指をくわえて待っているわけにはいかない。日本競輪選手会主導で今年7月から「スター選手養成セミナー」が始まった。89期生、90期生のデビュー間もない選手のなかから才能豊かなスター候補生12人を選出。年3回、合同練習や、講習会を行って、脚力、精神面で重点的に英才教育をほどこすのが目的だ。

 競輪の専門的なトレーニングはもちろんだが、元Jリーガーの相馬直樹氏の講演会や、フランス料理のテーブルマナーの講義まで、セミナーの内容は多岐にわたる。実際に参加した菊地圭尚(26=北海道)も「他分野で活躍する人の話も聞けたし、色々と勉強になりました。また機会があれば参加したい」と話すなど、選手サイドにとってもプラスになることは多い。

 傑出したスターとは生まれながらにその素質を持っていたり、時代が作り出すものかもしれない。「スター選手養成セミナー」がどれだけ実質的な成果を上げられるかは未知数だが、誰もがスターの出現を待ち望んでいることだけは間違いない。たった1人でいい、競輪界に特別な存在が現れる日を待ちたい。

September 8, 2006 01:33 PM 投稿者:川尻将志