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北海道発・記者ブログ

2007年6月 9日ガンちゃんの優しさ

 これこそが引退してもファンに愛される理由なのだろう。本紙評論家を務めている岩本勉氏の人間性を、目の当たりにすることがあった。

 札幌ドームで行われた3日の阪神戦後のことだった。ラジオ出演を終えたあと、記者とその日の試合について話をしていた。11連勝を飾った1戦だけに、強さの要因など、質問内容も多く、結構長い間、取材を続けていた。その間、記者席下のスタンドでは、ファンが岩本氏にサインをもらおうと列をなしていた。しかし退場時間になってしまい、警備員に促され、帰路に就こうとしたそのときだった。

 取材を終えた岩本氏が、警備員に向かい「待っていた人たちを呼んで欲しい」と訴えた。それを聞き、戻ってきた20人以上のファンにサインし、記念撮影に応じ、触れ合っていた。警備員にも「申し訳ないけどもう少しいいですか。せっかく待ってくれていたんで」と言いながら、1人1人に応対する姿に、感動すら覚えた。そのときのファンにとっても、思い出深い出来事となったことだろう。

 出来そうで出来ることじゃない。普通なら帰ってしまった時点で「仕方ないか」ぐらいで済ませるだろう。現役時代からファンに対して、とても丁寧に対応していたのを覚えている。我々報道陣に対しても同じ。テレビとの裏などまったくない、明るいあのキャラクターは、いつも同じだ。

 後輩からも「ガンちゃん」と呼ばれる。それにも「そう呼んでくれる方がうれしい」と言い、突っ込まれてもうれしそうに切り替えしている。金村などは「ガンちゃんは兄貴みたいなものだから」と言うほど。厳しいことを言っても選手が納得するのも人望があるからこそ。相手がだれであってもそうだから、みんなに愛されるのだ。

砂田 秀人(すなだ ひでと)

 北海道札幌市出身。92年北海道本社に入社。編集部、広告部を経て、97年から2年間、米国駐在。帰国後はコンサドーレ札幌や日本ハムを担当。04年11月から東京駐在として紙面製作。07年4月から編集部勤務。1970年3月生まれ。

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