2006年12月 7日謎解けたクラムチャウダー、でもアサリが…
今、米国で日本人に最も注目されている街といえば、ボストンが挙げられる。現在松坂がレッドソックスと交渉中、北海道でもおなじみの岡島が入団決定とあって、その名前をあちこちで耳にするようになった人も多いだろう。
先日テレビを見ていると「ボストンってこんな街」的な特集をやっていた。その中で名物の1つとして挙げられていたのが「クラムチャウダー」だった。日本でもおなじみのこの食べ物は、ボストンの人々にはとっても身近な食べ物なのだ。
記者が米国に駐在していたとき、取材で何度かボストンを訪れたことがある。98年、マイク・タイソンがプロレスのリングに登場という取材で、同地を訪れた。仕事を終えた後、宿泊していたホテルで、他紙の記者と一杯飲むことになった。ともに空腹ではあったが、時間は午前0時過ぎ。料理のオーダー時間はとっくに過ぎていた。わずかな望みにかけ「何か食べるものはないか」と聞くと「クッキーとクラムチャウダーならある」と答えが返ってきた。
しゃれたホテルのバーで、周囲は酒をたしなんでいる紳士淑女たち。そんな場所で、遅い時間でも唯一提供できるのが汁物とは。そのときはちょっと意外だったが、テレビを見ていて理由がよく分かった。多くのイギリス人によって入植され「ニューイングランド」と呼ばれる地域の中心をなす同地。そこで生まれた、おらが町の食べ物が「ニューイングランド風クラムチャウダー」だったのだ。ずっと頭の片隅に残っていた、あの湯気の理由が思わぬ形で解けた。
一部では「日本人に冷たい町」的な事も報じられているが、記者は不快な思いをしたことはない。そのときも「うまいだろ」とウエイターがほほ笑みかけてきたのを覚えている。ただ残念だったのは、記者が貝を嫌いだったこと。ボストンと聞くたびに、クリーミーな味わいと同時に、カップに残ったアサリの山がよみがえってくる。