2007年1月 4日せっかくこんな近くにいるのに…
テレビ番組のロケ取材で、旭川の旭山動物園に行った。冬の訪問は初めて。名物「ペンギンの散歩」も見られるとあって、張り切って向かった。だが、現場ではペンギンよりも印象に残った“動物”がいた。
記者が訪れた日も平日にもかかわらず、約6000人が来園した。お目当てはペンギン14羽の行進だったらしい。気温がマイナスになろうとしているのに、開始時間の30分以上前から、みんな場所取りをしていた。約500メートルある散歩ルートの沿道は人、人、人。
主役のペンギンは我がモノ顔で歩いてゆく。愛らしい様子に歓声が上がったときにふと思った。みんなカメラ片手に写真をとるのに夢中。一歩下がり、後ろから見ていたら、みんな同じ速度で体の角度が変わってゆく。見つめているのはペンギンではなく、手に持ったカメラの液晶画面なのだ。まるで同じように動いていた。その様子があまりにもこっけいで、ペンギンの行進よりも印象に残ってしまった。
「せっかくこんな近くに、歩いているペンギンがいるのになあ」。わたしも仕事なので、もちろん写真は撮った。目線を下げて様子を見ると、出発前は直立したまま眠っているペンギンもいる。いざ園内に出ると、憶病な性格のわりには、堂々と歩くものだ。近くで見れば見るほどくちばしはけっこう細く、長い。目も思った以上に大きかった。
写真で思い出作りもいいけれど、液晶画面を通してよりも直接見た方が、やっぱり動物の様子は強く印象に残るもの。液晶画面ばかりを見て「かわいい!」と言う人間を、彼らはどう思っているのだろうか。なんとなく動物と会話できたら聞いてみたいと思った。