2008年1月 5日故郷っていいもんだ
故郷って、いいもんだ。歳をとったせいなのか、今まで以上にそう思う。私の場合、仕事も関係していることもあるからか…。
年始に帰省したときのこと。役場の前を通った際、庁舎に掲げられていた懸垂幕が目についた。「きちんと納税を」「暴力団追放」…、こんな案内と並んでいたのが「マツリダゴッホ 有馬記念優勝」「メルシーエイタイム 中山大障害優勝」「イイデケンシン 全日本2歳優駿優勝」。いずれも昨年暮れの中央、地方競馬のG1競走を勝った馬で、3頭とも私が生まれ育った静内町(現新ひだか町)の牧場が生産したサラブレッドだ。町が懸垂幕を掲げるのは今回に始まったことじゃないが、3本並ぶと、さすがに良い眺めだった。
故郷を離れて約20年、泊まりがけで帰省するのは正月くらいしかない。そこでも滞在するのはせいぜい2、3日で、面倒だからどこにも出掛けなくなった。昔は、積極的だった。知り合いと夜の街にも出掛けたものだが。夜がすべてじゃないが、今は町を知ることも、町の良さを感じることもなくなった。
聞こえてくるのは景気の悪い話ばかり。新ひだか町は06年3月に静内町と三石町が合併して誕生した。人口2万7000人あまりで、北海道の市町村では26番目の人口。結構大きい方だと思うが、私が育ったころは、住んでいた旧静内町だけで2万6000人くらいはいたと思う。それが今は2万2000人。だいぶ減った。昔はにぎわっていた中心部の商店街も、今はどうにも寂しい。
ご存じの通り、新ひだか町は、競走馬の生産では日本有数の地といわれている。不況の影響で牧場の戸数も減り続けているが、今も変わらず基幹産業的な役割を担う。昨年64年ぶりに日本ダービーを勝ったウォッカも旧静内町の生産で、明るい話題を提供してくれる。放牧地に馬が放されている、私にとっては当たり前の風景も、競馬ファンに言わせると、ぜいたくなものらしい。
ダービーも有馬記念も、故郷の馬を買わず大負けしたが、それは、ただただ私の馬券センスのなさによるもの。新ひだか町という名にはなかなかなじめないけど、故郷は誇れる町です。