このページの先頭

北海道発・記者ブログ

2007年8月14日元気をくれた20歳メジロライアンの走り

 うれしく、かつ元気をもらった。今月5日、90年代前半に活躍したメジロライアンが函館競馬場に登場した。90年の有馬記念で、「競馬の神様」といわれた大川慶次郎氏(故人)が、ゴール前で伸びる同馬に向かって、テレビ解説を忘れて「ライアン!、ライアン!」と連呼したのを覚えている人も多いでしょう。私も大好きだった馬。有馬記念のときは入社1年目、競馬以外を中心に上司に言われるがままに仕事をしていたころで、「いずれ競馬担当をしたい」と目標を持たせてくれた1頭だ。

 函館競馬場でのイベントは、サプライズだった。通常、引退馬のお披露目はパドックなどを歩くだけだが、今回は現役時代にコンビを組んでいた横山典弘騎手が実際に乗り、芝コースを約400メートル走った。今年で20歳を迎え、6月に種牡馬生活からも引退した。人間でいえば60歳をゆうに超える“おじいちゃん”が、騎手を乗せて競馬場を走るなど過去に例がない。つまり、それだけ大変だということ。

 牧場の人たちをはじめとした関係者も万全を期して、この日に備えてきた。1カ月前から、鞍を付ける→人が引いて歩く→人間が乗って歩く→人間が乗ってコースで軽く走る、そう段階を踏んで調整してきた。競馬場でも2日前の金曜日、前日の土曜日と2度の予行演習を行った。当日は当初、前後に誘導馬を従えての芝コース入りを予定していたが、ほかの馬を見てライアンの走る本能に火がつくと危険だからという理由で、1頭での登場に変えた。

 そんな舞台裏があって、ライアンじいちゃんは力強くコースを疾走した。引退して15年、走りだす直前と実際に走っている姿には、ホントに気持ちが高ぶった。つい最近まで種牡馬として種付けをしていたとあって、パドックでは“モノ”をブランブランさせての周回と、こちらのほうも元気。何かほのぼのとさせてくれた。

 たとえ好きな仕事でも、年月がたてば気持ちの高揚も少なくなる…。それじゃあ、いけないが、日々生活する中でそう感じることも多い。入社間もないころ、自分にとってのヒーローだったライアンの元気な姿を見て、当時のやる気を取り戻したいと思う。

 っと、こんな締めにしたら、まるで今の自分に覇気がないみたいですが、決してそんなことはない…です。

大滝 貴由樹(おおたき たかゆき)

 北海道新ひだか町(旧静内町)出身。90年北海道本社に入社。編集部、総務部を経て、再び編集部に。中央競馬を中心にギャンブル全般を担当。現在は出稿デスクを務める。1966年4月生まれ。

このページの先頭へ