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北海道発・記者ブログ

2007年7月 3日地方競馬が日本の競馬を支えている

 1日に函館競馬場で行われた中央競馬の函館スプリントステークス(G3)は、牝馬アグネスラズベリが制した。6歳でこれが重賞初制覇。デビューが2歳時の03年10月で、遅咲きの花を咲かせたといっていいだろう。

 紙面上での予想は完敗。でも、こう言ったら怒られそうだが、よかったと思う。地方競馬にスポットが当てられる1つのきっかけになるかもしれないと思うからだ。

 アグネスラズベリは出走表の馬名の上に、マル囲みで「地」と記されている。地方競馬から中央競馬に移籍してきた馬のことで、「マルチ(地)」と呼ばれている。ハイセイコー、オグリキャップ、イナリワンなどの名馬は地方でデビュー後、中央に移籍したマル地だ。ラズベリはそれらとは違い、デビューは中央(2着)だった。しかし、体質の弱さなどもあって休養し、2戦目となった3歳12月のレースでも勝てず、地方の兵庫・園田競馬に移籍した。そこで1戦し勝ち上がり、すぐに中央に戻り、4歳夏に“出戻りデビュー”した。厩舎関係者の間では、「リターンホース」とも呼ばれるパターンだ。

 中央所属馬の場合、3歳11月までに未勝利戦を勝たなければ、その後はだいたい、地方競馬に移籍するか、競走馬登録を抹消される。「勝ち上がれないイコール能力が足りない」という理由が1つ。そのまま中央に残したとしても、12月以降は未勝利戦がなく1勝馬クラスに格付けされ、獲得賞金不足から真っ先に除外の対象になるためだ。

 ラズベリの厩舎関係者は、同期の未勝利馬がいなくなった3歳12月にも走らせ、さらに園田で勝ち上がると、すぐに中央に戻した。素質を見抜き「いずれ走ってくる」という手応えを感じていたからだろう。生き物だから個体差があり、必ずしも早くから能力を発揮できるとは限らない。厩舎関係者の馬を見る目に敬意を表したい。

 数年前までは、中央に在籍した馬が1度地方競馬に移籍すると、中央にはカムバックできないという規定があった。厩舎関係者が言う「リターンホース」という馬は存在し得なかった。ラズベリも従来の規定のままでは、こうして重賞を勝つことはなかったと思う。

 中央競馬と地方競馬では絶対的に規模が違う。06年度の売り上げは中央が2兆8315万円(開催288日)に対して、地方は21競馬場で3760億3900万円(同1511日)だった。近年は廃止される主催者も出てきている。しかし、地方競馬は中央競馬をこんな面でも支えている。「支えている」なんて序列をつけた言い方をすると、地方の関係者には失礼かもしれない。でも、本当にそう思う。地方競馬あっての中央競馬、日本の競馬だなと…。

大滝 貴由樹(おおたき たかゆき)

 北海道新ひだか町(旧静内町)出身。90年北海道本社に入社。編集部、総務部を経て、再び編集部に。中央競馬を中心にギャンブル全般を担当。現在は出稿デスクを務める。1966年4月生まれ。

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