2007年3月16日16歳と40歳、どっちが年寄り?
16歳、老いてもいまだ健在。決して年齢を間違って書いているわけじゃない。馬の世界での話。11日、地方高知競馬で16歳の現役競走馬オースミレパードが1着になった。一般的に競走馬の年齢は人間の年齢に4を乗じた数が相当するといわれている。それに沿うと、オースミレパードは64歳。競走馬の引退年齢はおおむね7、8歳で、人間に換算すると30歳前後。スポーツ選手にたとえれば、大相撲の力士あたりが現役寿命で同じといったところだろうか。
60歳過ぎで、ただ出るだけじゃなく1勝を挙げる。またまた相撲で適当な年齢に当てはめると、元横綱の輪島(今年で59歳)が、現役バリバリの力士に勝ってしまうようなもの。横綱にたとえてみたが、オースミレパードも全盛時は中央競馬で重賞2着(96年1月平安ステークス)の実績があり、まあ横綱級の評価をしてもいいだろう。
北海道から遠く離れた高知で走っている同馬だが、なんとも親近感と懐かしさが込み上げてきた。というのも、同馬が中央競馬で走っていた当時、北海道シリーズに参戦し、取材をしていたから。94年9月3日、わが社の冠がついた「函館日刊スポーツ杯」(ダート1700メートル)を勝っていた。懐かしさついでに翌9月4日付の新聞をひっくり返してみた。3歳で古馬を一蹴したレースぶりに、「この1勝は菊花賞へのステップになる。ダートで3勝目を挙げたが、芝でも2着があり、めども立っている」と記事にした。その後、菊花賞前に芝のレースを1走したが勝てず、ダート路線を歩むことになった。芝でめどが立ったと書きながら、そうはならなかったわけだが、ダートにより適性があったのだからやむを得ない。こればっかりは分からないものだ。ついでに、調教師のレース後のコメントは「体の弱いところがある馬だからね」。そんな馬が16歳まで走り、通算200戦目で勝つんだから、これもまた分からないものだ。
まあ、馬はそんな過去の栄光も思い出すはずがないだろう。レースにいってひたすら走るだけ。昔のことを思い出して感傷に浸っているあたり、オースミレパードより、私の方がよっぽど年寄りか。前回の当コラムでは体力的な衰えに触れたが、気持ちの面までもこれじゃあ…。少しは16歳の馬を見習わないと。