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北海道発・記者ブログ

2007年2月17日新聞の「へ」「も」「か」って…

 私の父は某夕刊紙の愛読者だった(たぶん今も)。小学生のころ、夜に父が家に帰ってくると、まずその夕刊紙の上半分を私に見せ「宇宙人発見」(某って書いてる意味がないか?)という見出しを読ませる。その後、下半分を広げ「か?!」と読ませる。そして「バカだろー」と面白がっていた。その夕刊紙がこのパターンをやめるまで、父親はその行動をやめなかった。新聞社で働き始めて、父が癖になる気持ちが少し分かった気がする。

 新聞を作っていると、「へ」「も」「か」「?」などの一文字が見出しの一番下につくことがある。ある出来事がこれから起ころうとしている、という状況で添える文字だ。ニュアンスとしては「か」「も」「へ」の順に実現性が高くなっていくといっていい。

 一番下に小さくつくだけだが、この扱いがなかなかやっかいだ。こちらが「へ」で作ると、「『へ』まではいってない、『か』にしてくれ」と言われることはよくあるし、そのことでデスク同士が議論を始めることもある。正直、私にはどこからどこまでが「へ」でどこまでが「か」という線引きはできない。「日本語って難しい」。そんな当たり前のことを肌で感じられる。この会社に入って一番良かったと思えることだ(つらいことでもあるが)。

 現場で取材をしている記者は、この「へ」「も」「か」を見出しから外すため、つまり確信に満ちた情報を得るため、毎日取材している。記者が「へ」「も」「か」を取り払ってくれることで大ニュースが生まれてくる。紙面レイアウトを担当する身としては、ただただ頭が下がる思いだ。

 おやじも、下半分に何もついてない新聞を見たかったのかもしれないんだろうなあ。「宇宙人発見」。これが本当なら、やっぱり読みたくなるものなぁ…。

大橋 直樹(おおはし なおき)

 神奈川県横浜市出身。02年に北海道本社のレース専門アルバイト(東京勤務)として入社し、04年に正式入社。現在は編集部東京駐在に所属。紙面のレイアウトや見出しをつける整理業務を担当している。1981年1月生まれ。

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