2008年2月 9日初めての体験ばかりに…
国境の長いトンネルを抜けると…。先日、出張で初めて新潟・越後湯沢に行った。小説「雪国」の舞台。有名なフレーズが自然と頭に浮かんできた。それほど越後湯沢駅に到着する前のトンネルは長く、暗やみを抜けてから飛び込んでくる雪景色は見事だった。文豪川端康成の世界を少しだけ体感できたのでは、とうれしく思った。
初日、泊まった旅館は見るからに古かった。トイレ、ふろなどすべて共同。しかしそれはそれでまた情緒があっていい、くらいに思っていた。だが、甘かった。部屋のストーブは壊れており、廊下が丸見えのドアは「ない」に等しかった。「小浴場」に行こうとタオルは?と尋ねると「そういうのはね、自分で持ってきて」と返されてしまった。カメラ用のタオルをあれほどありがたいと思ったことはなかった。
対して出張2日目以降の取材先だった苗場スキー場と、隣接する苗場プリンスホテルのスケールの大きさにはとにかく驚いた。山頂から見下ろすと、「巨大な要塞(ようさい)、宇宙ステーション」と形容したというユーミンこと松任谷由実の気持ちが分かった気がした。滞在していた4、5日には28回目となる恒例のコンサートが開催され、大いに盛り上がっていたようだった。
初めて体験することばかりで迷い、驚き、何かと考えさせられた新潟出張。新千歳空港に戻った時、長~いトンネルからようやく脱したような気分だった。出張先で風邪をこじらせたのは余計だったが、得難い経験になった。