2007年3月25日頑張れブラザー
兄弟姉妹の絆っていいものだ。5年ぶりに柔道の上野姉妹を取材してそう思った。21日に行われた全国高校柔道選手権に旭川南の三女・巴恵選手が出場。父・法美さん、母・和香子さん、長女・雅恵選手、二女・順恵選手の家族5人が、応援のため東京・日本武道館に勢ぞろいしていた。
結束の固い一家で、国内大会では必ず会場に最低1人は家族が駆け付ける。全員が柔道家でもあり、一番の理解者、家族の声を聞くことは取材の大きなポイントだ。今大会終了後には巴恵選手と同じ70キロ級で競技する長姉・雅恵選手の話を聞いた。負傷した巴恵選手の左ひじをずっとさすりながら「巴恵がどれだけ強くなっているか体重別(選手権)で直接対戦してみたい」と目を輝かせていたのが印象的だった。
柔道の上野家とは知名度も競技人口も雲泥の差があるが、私の家も両親、私、弟の4人がフェンシングという同じスポーツをやっていた。上野家同様、試合会場に4人そろうことは珍しくなかった。特に3歳違いの弟とは、全日本選手権や国体にも出場。多くの経験を共有してきた。
そんな弟と今でも酒のつまみに話す14年前の「永野兄弟の日本一熱い」夏の思い出がある。93年栃木インターハイ。私は大学1年で、大会に出場する高2の弟の練習パートナーとして現地にいた。試合中は大会役員のため指示の出せないコーチの父に代わり、スタンドから声をからした。後にも先にも、声を出し過ぎて3日も治らなかったのは、それが最後。気が付けば弟が高校チャンピオンになっていた。
今や子持ちの33歳と30歳。いいオヤジ2人で「兄貴がいたから勝てたんだよ」「いやーお前の実力だ。おれは何もしてねぇからさー」なんてグラス片手に夜が更けていく。他人から見ればただのうっとうしいバカ兄弟なのだろうが、1つのスポーツを通し互いに理解し合える、血のつながった同士というのは貴重な存在だと思う。
24日、プロ野球が開幕した。球界にも1人“兄弟”がいる。昨オフ、オリックスを自由契約になり育成枠で中日入り。オープン戦で奮闘し、なんとか年俸600万円、背番99で中日の支配下登録が決まった。30日のセ・リーグ開幕は1軍で迎えられそうだ。
私と同じ73年7月24日生まれ。33歳、メジャーも経験した男がサラリーマン程度の給料から再出発を期す。6日前の白船記者のコラムによれば、同じ生年月日の人同士を「アストロ・ツイン」と呼ぶらしい。同じ星の下に生まれた“双子”。今季のプロ野球で、個人的に本当の兄弟ぐらい気になって仕方ない選手だ。
頑張れっ!ノリ