2007年2月25日無理矢理「レッツゴー富山」編
07年は札幌の世界ノルディックに大阪の世界陸上、そして富山の世界遺産。無理矢理ですが「レッツゴー富山」第2弾として引き続き全国高校スキー取材で発見した富山県の見どころを紹介したい。前回の「ポパイ&ブラック編」に続き今回は「世界遺産・合掌造り編」。
訪れたのは旧平村(現南砺市)五箇山集落のひとつ「相倉合掌造り集落」。全国高校スキーでは距離、アルペン競技の会場となった地域で、「白川郷・五箇山合掌造り集落」として95年12月に世界遺産に登録されている。

百聞は一見に如かず--。写真や映像でしか見たことのなかった茅葺き(かやぶき)の三角屋根が雪の中に、ゆったりとたたずんでいる。感動して携帯電話のカメラを向けると、2戸並ぶ合掌造りの間の道路から乗用車が猛スピードで飛び出してきた(写真)。午前7時。静かな世界遺産の村に強烈なエンジン音が鳴り響いた。運転手は化粧の濃い30代前後の女性で、パンをかじっていた。敷地内は住民の所有車以外乗り入れ禁止となっているから、出勤途中の住民だったのか。ロマンチックであろう世界遺産“らしからぬ”エキセントリックな出会いに驚いた。
現在、合掌造り集落とともに「世界文化遺産」と呼ばれるものは日光の社寺、古都京都や奈良の文化財、姫路城、原爆ドーム、厳島神社、沖縄・琉球王朝のグスク類など国内で10件登録されている。どれも「簡単には立ち入れない」重みを感じる。原爆ドームや法隆寺や宮島の鳥居の向こうからブオ~ンッと自家用車が飛び出してくることは、まずないだろう。ましてや、出勤途中?のパン食い姉さんまでも文化財と融合しているような時空を超えた「異次元」感覚は、この五箇山合掌造りでしか味わえないのではないだろうか。
さらに民家の軒下に立てかけてある雪よけ板の裏側にはジュースの自販機、集落の一画にはテニスコートがある。さすがにパチンコ、カラオケはないが歴史的文化財と「現代」が違和感なく絡みあっている。
ただ、人に見られながら生活するには、私たちの想像を超えたストレスもあるのだろう。今回訪れた五箇山・相倉集落は明治5年には42戸約300人が生活していたが、現在の住民は20戸約80人にまで減少している。多くの制限がある中、現代の利器を無理なく取り入れ「生きる世界遺産」として守り続けてきた人々のたくましさに敬意を表したい。
ちなみに五箇山とともに世界遺産登録されている白川郷集落保存財団のHPには「ニュウニュウ」という名のユニークなマスコットがPRに一役買っている。昔、NHK教育テレビで放送されていた「できるかな」のゴン太君にちょっぴり似ているのだが、左手が茅葺きを切りそろえる「カマ」になっている。
カマカマカマカマカマカマーンッTOYAMA。