2006年12月12日撮影にはありがた迷惑な紙吹雪だった
終わった瞬間「オレはヤギかよっ」と自分に突っ込んでいた。気付けば新聞紙の切れ端が何枚も口の中に入っていた。少し前の話になるが11月18日、札幌市内で日本ハムの優勝パレードが盛大に行われた。公式発表では14万3000人の観衆が沿道に集まり、北海道では過去に類を見ない行事だったといえる。
当日の記者の取材ポジションは、大通公園に接する銀行の屋上で、パレードの様子を写真に収める役目だった。13階に相当する場所から見下ろすと、沿道の人も日本ハムの選手たちも豆粒以下だったが、レンズ越しに盛り上がりは伝わってきた。だが、徐々に目の前にチラチラするものが増加し、気付けばその「猛威」にさらされた。
その正体は、撮影していたビルの真下の階、隣接するビルや、斜め向かいのビルの屋上から、工事用の送風機を使って飛ばされた紙吹雪だった。実行委員会が「ないと絵にならない」と実施され、確かに地上レベルから写した写真はきれいだった。だが、その屋上付近は微妙な風向きも影響し、紙吹雪の密集スポットと化した。一瞬にして目の前は紙だらけで、下の選手たちの様子はまったく見えず。1625万枚、計1・3トンも舞うと、写真も紙だらけのものがほとんどだった。
まさに曇りのち紙吹雪、いや紙嵐だった。演出用の紙吹雪は撮影者にとってうれしいような、ありがた迷惑なような…。そんな思いを抱いた強烈な取材現場だった。