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北海道発・記者ブログ

2008年2月18日ぶれない心を

 ドキッとさせられた。フリースタイルスキーのW杯猪苗代大会で約2年ぶりに実戦に復帰する女子モーグルの長野五輪金メダリスト、里谷多英(フジテレビ)を取材した時のこと。大会前、里谷本人と雑談しながら、「里谷不安!」の文字が躍った日刊スポーツ紙面の話しになった。

 記者は怒られるのかなっと思っていたが、そこで意外な言葉を発せられた。「気にしないですよ。記者さんも取材して誇りとか責任を持って書いているんですよね。背水の陣って言葉もいい意味でとらえていますよ」。ズシリと心にきた。

 その言葉で自分自身を見つめ直した。書きたいことがあって約10年前に、この世界に飛び込んだ。それなのに、際限ない情報の波にのまれ、いつしか日々をこなすだけの毎日になってしまった。肝心の“書きたいこと”がだんだんぶれてきているように思える。「誇りを持って」選手たちと接し、記事を書いてきただろうか。里谷の2年ぶりの復帰は、腰、首に爆弾を抱えてのぎりぎりの復帰だったが、「スキーってやっぱり面白いですね。お客さんいっぱい入ってくれないかな」。里谷は自分の競技に誇りを持ち、ぶれない心があったからこそ帰ってきたんだと思った。

 北海道にきて1年4カ月が過ぎた。一般スポーツの記者になり、多くの選手に取材する機会を与えてもらっている。初めてスピードスケートの岡崎朋美(富士急)を取材したときは、「スケートを広めるためなら何だってやりますよ。ぜひ競技を見てもらいたいですね」。今季の開幕戦では及川佑(びっくりドンキー)が、「見てくれればスケートの面白さが分かる。そのために、もっといい滑りをしたい」と話してくれた。選手たちはみんな自分の競技に誇りを持って取り組んでいる。

 多くの選手の言葉を思い返し、原点に返れた気がする。今後はぶれない心で「誇りを持った」記事を書いていきたい。

 このブログは、今回が最後となった。たわいもない話題や話に加え、稚拙な文章力だったにもかかわらず、お付き合いしてくれた読者には感謝したい。

松末 守司(まつすえ しゅうじ)

 東京都出身。06年北海道本社入社。主に夏は中央競馬、冬は一般スポーツを担当。前職の東京での夕刊紙記者時代は、中央競馬を6年間担当し10週連続で万馬券的中を記録した。1973年7月生まれ。

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