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北海道発・記者ブログ

2007年5月29日もう少し心に余裕を持とう

 日本人よ、もう少し余裕を持とう-。シンガポール航空国際Cで連覇を狙う北の雄、コスモバルク(牡6、田部)の取材で16日から21日までシンガポールを訪れた。気温20度にも満たない札幌から突然、連日32度の酷暑の異国の地に赴き、体調は最悪だったが幸運にも日本馬シャドウゲイト(牡5、加藤征)、2着コスモバルクのワンツーで決まり、「オレ、やっぱり、もっているかも?」と思わせてくれたりもした。

 現地では連日、朝2時に起床。ホテルから車で30分かかるクランジ競馬場に向かい、取材に追われた。朝の取材が終わると、午後からはホテルのプレスセンターで原稿をひたすら書く。慌ただしく行ったり来たりを繰り返していたが、ふと顔を上げるとせわしなく働いているのは日本人記者だけだ。

 外国人記者は、いつ原稿を書いているのだろう-。ちょっと不思議に思うくらいだった。純粋にレースを楽しんでいたのも日本の記者より、外国人記者だったように感じる。仕事に追われ、レースの余韻に浸ることもできず、記者席で原稿を書き続けた記者…。レースを楽しめたんだろうかと、ふと考えてしまった。

 そういえば、2月のノルディックスキー世界選手権の取材の時も、熱心に働いているのは日本人記者だけだった。選手たちの結果に一喜一憂し、時に抱き合って喜んだりもする外国人プレスの方が競技を楽しんでいた。

 期間中は観光どころではなかったが、最終日にようやくあいた時間を利用して1人で世界3大がっかり? のマーライオンを見に行った。うわさ通り「けっこうちゃっちいな」なんて思いながらマーライオン公園のベンチでボッーとしていると、海外研修らしい日本企業の一行が、30人くらいの団体でやってきた。ゆっくり観光するのかと思いきや、入れ代わり立ち代わり写真を撮っている。1人もマーライオンに振り返ることなく、たった5分間でさっさと立ち去ってしまった。

 返りの空港では、土産屋で一心不乱に土産を買いあさっている日本人の姿があった。海外に行き、その国の文化に触れ、楽しむ日本人が何人いるのだろう。立ち去った日本人を苦笑いで見送る外国人を見ると、急に寂しく感じられた。お国柄と言ってしまえばそれまでだが、もう少し余裕をもってもいいのでは。旅行に行ってクタクタになって帰ってくるのは、日本人だけだろうと思う。

 先日取材した歌手、大黒摩季さんが言っていた。「もう、ただ無理して頑張る時代は終わったんじゃないかな。これからは純粋に楽しむことを楽しんだ方がいい」。記者も、もう少し心に余裕を持って、楽しみながら生きて行ければと思う。

松末 守司(まつすえ しゅうじ)

 東京都出身。06年北海道本社入社。主に夏は中央競馬、冬は一般スポーツを担当。前職の東京での夕刊紙記者時代は、中央競馬を6年間担当し10週連続で万馬券的中を記録した。1973年7月生まれ。

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