2007年5月 2日それで何が変わったの?
変わるって難しい。4月27日、存続の危機にあったばんえい競馬が新生「十勝ばんえい」としてスタートした。4日間連続で入場者数が昨年を越え、総売り上げは目標額を上回る盛況ぶりだった。しかし、喜ぶ関係者の傍らで「何が変わったの?」と冷静に聞き返してきたオールドファンの言葉が頭から離れない。
新生ばんえい競馬は、競馬場内外をモスグリーンに塗り、場内は分煙化が図られ、入場門には大きなばんばの看板が立てられた。競馬場の裏側にあったパドックはスタンド前のゴール前に移設され、そのパドック跡地にはミニ動物園なるふれあいパークが誕生した。見た目には大きく変わったし、初日の入場者の中には家族連れが多く見られ、ある主婦は「これなら子供も連れてこられる。遊ぶ場所が増えた」と“変わった”とする人は多かった。
が、前述のファンは言う。「古い建物を新しくしたり、子供を呼ぶための遊ぶ施設はどこだって作っている。それで変わったとするならば本末転倒だよ。もっと冷静に現実を受け止めてほしい」と話した。
確かに総売り上げが目標額に達したとはいえ、前年から考えれば初日は2000万円の減額だった。平日開催で昨年の12レースから11レースだったことを差し引いても、決していいスタートとは言えない。2日目も12レース中、前年を上回ったのは1レースしかなかった。「レースそのものを面白くしなくっちゃただのブームで終わる」。もう1人の馬券ファンは「初日から着順掲示板が故障だなんて。イベントをやるのはいいけど、肝心のレースがおろそかになるのなら残念」と危機感を抱いている。
27日は財政破たんした夕張でも「石炭博物館」など12の施設が営業を再開し、復興への息吹を上げた。しかし、1日に久々に訪ねた夕張では、市民の憂いのまなざしは変わりはしない。ある人は「何かを変えなければいけないのは分かるが、市の赤字が増えていったときと今と何が変わったのか。支援の声にぶら下がって見切り発車することほど怖い」と話した。
自分自身もそうかもしれない。北海道にくるときは「これで変われる」と思ったが、環境が変わったり、住む場所が変わっただけで、中身は何も変わってはいないのが現実だ。「何が変わったの?」と思わず自分に突っ込みたくなる。何を持って変わると言うのか。報道も自分自身も本質を見極めていかなければ、新たな一歩は踏み出せない。