2007年1月24日なぜ悲劇は繰り返されるのか
衝撃的なニュースだった。タレント風見しんごさんの10歳の長女が17日、家を出てすぐ交通事故に遭い、その短い生涯を閉じた。横断歩道の青信号を渡っていたことから長女には過失がなかった。家族の悲しみを思うと、胸が痛い。
記者にも悲しい思い出がある。大学3年のとき、友人の彼女が5歳の女の子を車でひき、死亡させてしまった。その友人とは、なんとなくウマが合い、たまに会えば酒を酌み交わし朝まで話し続けたものだった。彼女とも面識があった。
しかし、3年の夏、悲劇は起こった。学校の授業に出ようと車で急いでいた彼女は、横断歩道で自転車に乗った女の子を巻き込んでしまった。免許をとって1年が過ぎたころだった。「もう終わりだよ」と言った友人の言葉が今も頭から離れない。2人は別れたのはもちろん、彼女だけでなく彼もショックでそのまま学校を辞めた。たった1度の不注意で被害者、加害者双方のすべてを奪う事故の怖さを身近で感じる出来事だった。あれから10年以上がたったが、悲劇はいまだに続いている。
昨年から飲酒運転に対する取り締まりが厳しくなったのに続き、法務省がこのたび罰則強化(業務上過失致死罪の最高刑が現行の懲役5年から7年)の方針を打ち出した。が、罰則を厳しくすることだけでは根本的な解決策とはならない。
泣き腫らした表情で「1回でいい。お酒を一緒に飲みたかった」と声を振り絞った風見さんの悲しみは計り知れない。自分の家族、隣にいる愛すべき人を突然失ったら…。まずは自分に置き換えて、自覚することだと思う。そんなに難しいことではないはず。
「急いでいて」「自分だけは大丈夫」。たとえ事故を起こさなくたって、そんなのは自分勝手な言い訳にすぎない。悲劇は思いやり、注意ひとつで避けられるものばかりだ。