2007年1月 9日ライブが一番
正月休みに、千葉の実家に帰省した。昨秋、転居の知らせも満足にせず札幌に引っ越したため、親類や友人にあいさつすることが目的の1つにあった。しかし、一番の目的は6日の中央競馬金杯の観戦。願掛けではないが、今年1年を頑張れるよう、競馬場の“生”の雰囲気を味わいたかった。
「一年の計は『金杯』にあり」。ハーツクライを育てた栗東の橋口調教師の年頭の口癖で、競馬取材をメーンにしてきた記者も同じ気持ちを抱いていた。
勤務先が変わり、昨年10月に札幌に来てから生で競馬を観戦したのは天皇賞・秋の1戦のみ。有馬記念当日は全国高校駅伝の取材中で、京都・京極陸上競技場の記者席で時間をやりくりしながらテレビ観戦した。歴史的名馬のラストランを見るにはちょっと寂しすぎ。ディープインパクト飛んだの? テレビじゃまったく分からなかった。もちろん、高校駅伝も感動させてもらったし、花園での全国高校ラグビー選手権の取材でも、選手の涙にいい刺激をもらったが…。
“生”の競馬に感動したのは、もう十数年さかのぼる。1989年(平元)のマイルCS。オグリキャップ、バンブーメモリーのゴール前の壮絶なたたき合いはマイルCS史上最高のレースと言われているが、記者を魅了したのは勝ったオグリでもハナ差2着バンブーでもなかった。2頭しか映し出されていなかったテレビのブラウン管の外、4角13番手から追い込んだホクトヘリオスの走りだった。3着に終わったとはいえ、怒とうの追い込みには胸が熱くなった。今となっては恥ずかしい思い出だが、京都からの帰り道、東京駅で高層ビルの上の赤いランプを見上げながら、仲間と「おれたちも頑張ろうぜ」と誓い合った。
6日は朝からあいにくの雨模様だったものの、久々の芝のにおいや馬たちの走りに初心に帰った気持ちになった。やっぱり競馬はライブが一番。今後の活力をもらった。新聞紙上でも、出来る限り生の迫力そのままに、競馬やスポーツの素晴らしさを伝えていきたいと思う。