2006年12月25日後悔はして欲しくない
最近、胸が、いや胸のずっと奥の方、心がズキズキと痛む。別に病気というわけではない。世間を騒がせている「いじめ問題」が原因だ。記者にとっていじめ、自殺…は人ごとではない。事件の記事を目にするたび、自分が背負う十字架の重さを痛感する。
中学時代、体の成長とともに心のバランスが崩れた。荒れた学校だったが、自分はもっと荒れていた。自分だけを主張し、周りが見えなかった。いじめの加害者と呼ばれても仕方ないことをしていた。ただ、そんな自分を信じてくれた大人がそばにいてくれた。3年のときに肺に腫瘍(しゅよう)ができ、1カ月半寝たきりになったのも転機となった。自分を見つめ直す機会ができたことで徐々に立ち直れたが、それは「いじめられた」側にしてみれば加害者の勝手な話しだろう。
仲間の楽しくなるはずであった中学時代を奪ったことは一生ついて回るし、そのときのトラウマで被害者は今も苦しんでいるかもしれない。もし、死を選んだりするような仲間がいたら…、と今でも背筋が凍る思いがする。自分だけを考え、自分だけを主張した。隣にいる友のことを、そして自分自身をもっと見つめられれば…。傷つける前にもっと考えるべきだった。
取材で出会った1人に、鵡川高のエースとして02年のセンバツ甲子園に出場した鬼海誠一さんがいる。筑波大を07年春に卒業予定。教師になる夢を抱いて香川の尽誠学園高に赴任する。野球部コーチという役回りだ。その鬼海さんが言っていた。「みんな自分だけを思うから詰まってしまう。結局、最後は人と人のつながり。相手のことを考えないことには自分もない。自分自身を見つめて乗り越えられる人を育てたい」。人を思いやり、自分自身を見つめられる人間に-。いじめている子どもたちには、大人になる前に気付いてほしいと、切に願う。一生消せない後悔をしてしまう前に。