このページの先頭

北海道発・記者ブログ

2007年1月12日取材現場のジンクス

 取材現場には、報道陣だけが信じるジンクスのような、迷信のような定説?(俗説)がある。先日、札幌・大倉山ジャンプ競技場でも冬季スポーツの定説に“遭遇”した。「某テレビ局のアナウンサーが現場に姿を見せると、悪天候で大会が中止になる」。確かに、風速15メートル以上の悪天候で大会は中止になった。

 野球取材、特に高校野球の取材でもある。「好投している投手を正面から撮影すると崩れる」。通常、カメラマンは一塁側か三塁側のカメラマン席で撮影している。完全試合や無安打無得点試合を達成しそうな投手がいると、バックネット裏へと移動し、正面からの投球フォームやガッツポーズなどを狙う。不思議なことに、レンズを向けた瞬間に、それまで完ぺきだった投球が乱れる。高校生なのでイニング後半になって疲れてくるのか、正面からカメラマンに狙われて意識してしまうのか分からないが、とにかく打たれる。

 そしてそのカメラマンのことを「記録をつぶした」という意味で「クラッシャー」と呼ぶ。自分もけっこう「クラッシャー」で、これまで何人もの記録をつぶしてきた(たぶん、私のせいではないと思うが…)。なので、カメラマン同士で「まだ、行かないほうがいいよね?」「お前、先に行けよ」とけん制しあう場面がよくある。

 自分だけのジンクスもある。「迷ったら動くな」だ。スポーツ写真は想像力で撮るものと思っている。その後、展開されるであろういくつものパターンを想像し、そのどれかを選択する。そして、そのシーンを撮るにはどのポジションにいるのが最適か考える。

 当然、当たることもあれば外すこともある。逆に想像力を働かせ過ぎて選択肢を増やし過ぎると、迷って動けなくなることがある。しょうがなくその場所のまま無策に撮った写真なんだけど、これが意外に「はまって」いたりする。そんなときは心の中で叫ぶ。「動かざること山のごとし作戦成功」。自分をなぐさめるために。

黒川 智章(くろかわ ともあき)

 北海道砂川市出身。97年に北海道本社に写真担当記者として入社。現在、プロ野球日本ハムを主に担当し全国を駆け回っている。最近、ソフトダーツに凝っているが、最後の1本がBULLに入らず心の弱さを露呈している。1970年2月生まれ。

このページの先頭へ