2006年12月28日てごわい「社交ダンス」
久しぶりに強敵に出会った。カメラマン歴もうすぐ17年。完全敗北だった…。
元日本ハムの小笠原選手(現巨人)のフルスイングでボールがバットに当たる瞬間だって、ジャンプの原田選手(現コーチ)が長野冬季五輪のラージヒル(銅メダル)で着地する瞬間にスキー板がグニャリと曲がる瞬間だって、元日本ハムの新庄氏がプロ最終打席で一瞬、涙をぬぐった瞬間だって、ちゃんと撮影してきたのに、なぜ撮れない!「社交ダンス」。こんなにてごわい相手がまだいたとは。
ある取材で社交ダンスを踊るシーンの撮影をした。「映画の『シャル・ウィー・ダンス』とかでオヤジとかが踊っているダンスだろ。楽勝じゃん」。なめてかかったのが間違いだった。動きに規則制があるのだろうが、けっこうトリッキーでまったくタイミングがつかめない。広いフロアーを縦横無尽に動き回る姿は「自由行動をするメリーゴーランド」のよう。回転しているので撮りたい相手の顔が一瞬しか見えないし、あっという間に通り過ぎて行く。しかも室内はけっこう暗い。「こ、これはやばいかも」。次の取材現場に向かうため、もう撮影時間は残りわずか。でもまったくてごたえがな~い。
プロである以上、撮れませんでしたでは帰られない。「さあ、どうする黒川智章!」。完敗です。しっぽを巻いて退散です。デスク様、及第点ギリギリの写真でなんとか今回はご勘弁を~。ほんの一瞬しかないシーンを撮るのがスポーツカメラマン。でも、あんなに優雅でゆっくりしていそうな「社交ダンス」がこんなに難しいとは…。「ライオンはウサギを狩るのにも全力を尽くす」と言うが、たぶん逃げられることだってあるんだろう…。