2006年12月13日強心臓の「親ばかカメラマンズ」
記者の仕事は写真撮影である。一般的にいう「報道カメラマン」というやつだ。日本ハムが北海道に移転してから撮影現場は主に全国の球場となった。知人に「毎日、プロ野球を一番近くで見られていいね」と良く言われる。とんでもない! 確かにベンチ横にある「カメラマン席」と呼ばれる場所で撮影するのだから誰よりも近い。しかし、それは危険と隣り合わせ。戦場とかわらない。
プロの打球は速い。まさに「弾丸」だ。たまに飛んでくるファウルボールは、バットに当たってから1秒とかからず着弾する。時には迫撃砲よろしく、頭上からバットが降ってくることもある。骨折するもの、目に当たり視力に障害を残すもの、これまで多くの「戦友」が凶(強)弾に倒れ前線を去っていった。かく言う記者も大事には至らなかったが4度ほど直撃弾を食らっている(お覚えていろよ、ズレータめ!)。
そんな戦場のような現場にもかかわらず、試合中に居眠りをしているカメラマンもいる。すごい強心臓だ。あの痛さを知っている自分はトラウマを乗り越えるのに1年以上かかった。しかし最近、カメラを持たせれば最強の心臓を持つと思われる一団と遭遇した。「親ばかカメラマンズ」だ。
幼稚園にいっている子どもの「お遊戯会」があった。仕事がら、どこにいれば、どういった写真が撮れるのか瞬時に判断できる。この場所取りで写真の善しあしがほぼ決まる。会が始まり撮影していると、どこかともなく「おばさん」(同世代と思われるが)が現れ「すみません」の一言もなく目の前に割り込み写真を撮り始めた。1人が来ると次から次へと我が子しか見えていない「親ばかカメラマン」が増殖していく。
「報道現場の常識」として定位置に就いた後に、人の前に立つことは厳禁。後ろから殴られ、引きずり倒されても文句は言えない。それが体に染み付いている記者としては、あ然とするしかない。まさか殴る訳にもいかないし…。声を荒らげるのも大人げない。結局、最初にいたのに追い出されるはめになった。怒りを超えて、この人たちの強心臓ぶりがうらやましくもあった。