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北海道発・記者ブログ

2007年12月21日米大リーグの薬物スキャンダル

 米大リーグの薬物スキャンダルにはさすがに驚いた。公表された「ミッチェル・リポート」に名前が挙げられた選手は90人。だいたい、こういう疑惑が暴かれるケースは氷山の一角と相場は決まっているので、もっと多くの選手が薬物を使用しているのだろう。

 それ以上にあごが外れたのは、同リポートに報じられている購入経緯、使用方法、疑惑の証拠だ。ステロイドの入った紙袋をロッカーに搬入する、空港係官に発見される、遠征先の球場に使用済み注射を放置する…。そこには、風邪薬でも飲むように簡単に薬物に手を出している様子が透けて見える。
 
これまで、冬季五輪などでドーピング違反の取材をしてきたが、発覚した選手は、巧妙にその事実を隠している場合が多い。大リーグの選手も五輪の選手も違反していることに変わりはないが、五輪に出場した選手は、悪事に手を染めているのを理解しているからこそ、発見されないように手を打つのだろう。しかし、罰則規定が02年から導入されたばかりで情状酌量の余地があるとはいえ、大リーグの選手からは悪意があまり感じられない。そこに今回の薬物汚染の罪深さが潜んでいるような気がする。

 ただ、誤解を恐れずに言えば、たとえボンズやクレメンスがドーピングに手を染めていたとしても、あの年齢であれだけの本塁打や剛速球を投げるのは、やっぱりすごいことなのだ。米国ではボンズが今季達成した大リーグの本塁打記録を認めるかどうかで論争になっているようだが、長く現役生活を続けるため、彼は間違いなく人並み以上の努力もしているはず。現在、ボンズはステロイド使用の偽証罪で起訴され、法廷闘争となっている。何でも裁判で争う米国らしい話だが、野球を生んだ国が、自ら野球の権威をおとしめる行為のように思えて、どうも好きにはなれない。

小林 明央(こばやし あきお)

 北海道旭川市出身。92年北海道本社入社。主にサッカー、冬季スポーツを担当。五輪は02年ソルトレークシティーと06年トリノを現地で取材。2大会連続で五輪に行きながら、1度も日本人のメダル獲得を見ていない、日刊スポーツでも唯一の記者。1969年2月生まれ。

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