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北海道発・記者ブログ

2007年7月29日新しいツールが増えるたびに

 最近は社内の仕事が増え、めったに外に出ないので気が付かなかったが、ボイスレコーダーなるものを使う記者が結構いますね。取材対象者にぶら下がって、あの機械を口元に差し出す。ペンとノートを持ってコメントを必死に書くのと比べても、カッコイイし、確かに便利なんだけど、取材される側はどうなのかな、なんて思ってしまう。あれじゃあ、発言が記録として残ってしまい、本音も言えないような気がするのだが。

 先日、ある芸能関係の記者会見に行ったときは、こんなシーンに出くわした。ほとんどの記者が、コンパクトなデジタルカメラで座りながら片手で撮っている。一眼レフ(一応デジカメです)を持っているのは自分くらい。一眼レフは重いので片手じゃあ厳しいんですよね。まあ、ここまではOKとしても、中にはカメラ機能付きの携帯電話でパチリ、である。おい、おい、携帯かよ。これって個人的趣味、それとも最近の携帯って高機能だから、紙面に堪えられる写真が撮れるかもしれないけど。でも、撮られるほうも、なんか気持ち入らないと思うのだが。

 新聞記者のツール(この言葉も昔はありませんが)もこの10年余りで大きく変化した。自分が入社したときは、記事を書くのはワープロだった。カメラはもちろんフィルム。暗室(これも死語?)で紙に焼き付ける作業もあった。それがパソコン、携帯電話、デジタルカメラの「三種の神器」が登場。便利な世の中になり、これまで必要とされてきた煩雑な作業は軽減された。だけど、取材で大事な人と人とのコミュニケーションが年々、軽視されていくような気がしてならない。

 そういえば、自分が入社したとき、先輩記者にこんなことを聞いた。その昔、ワープロはなく、記事は手書き。ワープロはすぐ記事を直せていいが、手書きはそうはいかない。間違えられないだけに、書く前に原稿を頭の中で整理する。だから、ワープロより早い-というような内容だったと記憶している。そのときは素直に聞きながらも内心は「なに言っているの、このオッサンは」と思っていた。時代の移り変わりにはあらがえないわけで、こんなことをつらつらと書くのも、新しいツールが出るたびに、古き良き時代を懐かしむオジさんのたわ言なのだろう。

小林 明央(こばやし あきお)

 北海道旭川市出身。92年北海道本社入社。主にサッカー、冬季スポーツを担当。五輪は02年ソルトレークシティーと06年トリノを現地で取材。2大会連続で五輪に行きながら、1度も日本人のメダル獲得を見ていない、日刊スポーツでも唯一の記者。1969年2月生まれ。

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