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北海道発・記者ブログ

2007年3月13日スポーツとは見る者の心を打つものだ

 プロ野球開幕を控えたこの時期に西武の裏金問題が明らかになった。2年前の一場問題のイメージダウンがようやく癒えてきたと思った矢先の不祥事。しかも、西武側と当事者の意見が食い違い、迷走し始めている。各球団も対岸の火事というわけにはいかないだろう。観客動員が減少すれば、経営に直接跳ね返る。まさか自分のところも…と戦々恐々としている球団もあるかもしれない。

 こうした金品の提供はプロ野球の世界だけではない。金額の多少はあるが、他のプロスポーツにもそういう黒いうわさが後を絶たない。悪しき風習はアマスポーツにも及んでいる。さすがにプロ野球のように1000万円を超える大金を支払うことはないだろうが、将来有望な高校生に、そのスポーツで使用する道具などを、企業が無償で提供することはよくあるようだ。

 国外に目を移すと、それはもう「人身売買」と言ってもいいほどだ。サッカーが盛んなブラジルでは、地元の投資家らがその選手個人の保有権を持つ。地方を巡っては、将来一流選手になりそうな若い選手を見つけ、幼いころから生活の面倒を見る。

 地元のクラブからブラジルの強豪クラブ、そこから今度は欧州のトップクラブへ。トントン拍子に事が運べば、保有権を持つ投資家の懐に大金が入るという寸法だ。現在ではそうした人身売買ができないような法律が施行されているが、裏金は絶えないという。こうした例はバスケットボールなどでもよくあり、スカウト網は欧州、米国だけではなく、アフリカなどの途上国にも及んでいる。

 スポーツもビジネスである限り、不正な金品の授受を完全に無くすことは難しいかもしれない。ただ、球場外でもルールがある限り、それを守るのがスポーツでもある。野球だってサッカーだって、ルールを破ってはゲームは成立しない。その中でアスリートとして最大限の能力は発揮するから、スポーツは見る者の心を打つのだ。

小林 明央(こばやし あきお)

 北海道旭川市出身。92年北海道本社入社。主にサッカー、冬季スポーツを担当。五輪は02年ソルトレークシティーと06年トリノを現地で取材。2大会連続で五輪に行きながら、1度も日本人のメダル獲得を見ていない、日刊スポーツでも唯一の記者。1969年2月生まれ。

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