このページの先頭

北海道発・記者ブログ

2007年2月27日メダル獲得の瞬間に立ち会いたい

 ノルディックスキー世界選手権が2月22日から札幌市内で開催しています。開幕前は入場券がサッパリ売れず、心配されましたが、距離女子スプリントで夏見選手が5位入賞、ジャンプ団体で銅メダルと徐々に盛り上がってきました。心配された観客動員も札幌ドームで開催された開会式はほぼ満員、ジャンプも7000人の観衆が詰めかけました。

 今回は世界選手権取材の舞台裏について報告します。日本ではなじみの薄い大会ではありますが、欧州では権威もあり、高い人気を誇ります。今大会も欧州のスポーツ専門チャンネル「ユーロスポーツ」では全競技生中継しています。時差の関係で普段は午前中に実施される競技も、午後に行われ、特に人気のあるジャンプは欧州の時間に合わせ、ナイター開催となっています。

 報道陣も多くの国から詰めかけています。放送局ではドイツの「ZDF」、オーストリアの「ORF」、フィンランドの「YLE」のロゴ入りスキーウエアを着たスタッフの姿が目立ちます。各会場のプレスセンターは約200席ありますが、競技がある時間帯はびっしり。そのうち6割程度は外国人です。それだけ欧州で報道されているということでしょう。

 選手を直接取材するミックスゾーンも日本語、英語、ドイツ語などが飛び交っています。欧州の記者は取材しながらも、しっかり自国の選手を応援しています。23日の複合スプリントでこんなことがありました。フィンランドの英雄マンニネンが優勝しました。W杯では史上最多の45勝もしていますが、なぜか五輪、世界選手権で1度もメダルを獲得したことがないのです。そのため「無冠の帝王」という、うれしくない肩書もありました。

 それがついに優勝。フィンランド人記者はみな抱き合って喜んでいました。その気持ちは私も十分、理解できました。ところが、感極まり、ついには泣きだしてしまうではありませんか。しまいには、マンニネンに飛びつこうと、ミックスゾーンを飛び越えようとしました。さすがにここまでくると、係員に制止されましたが…。

 日本人は習性でしょうか、どうしても仕事が頭から離れず、手放しで喜ぶ記者はそういません。私の場合はそれ以前の問題で、これまで過去2度、冬季五輪を取材しましたが、日本人がメダルを獲得した瞬間を1度も見ていません。今大会もジャンプ団体は実は距離会場にいて、テレビ観戦でした。競技もまだ残っています。今度こそメダル獲得の瞬間に立ち会いたいものです。

小林 明央(こばやし あきお)

 北海道旭川市出身。92年北海道本社入社。主にサッカー、冬季スポーツを担当。五輪は02年ソルトレークシティーと06年トリノを現地で取材。2大会連続で五輪に行きながら、1度も日本人のメダル獲得を見ていない、日刊スポーツでも唯一の記者。1969年2月生まれ。

このページの先頭へ