2008年1月11日スキー・ジャンプを取り巻く高齢化
スキー・ジャンプで金メダル2個、銀と銅各1個を獲得した98年長野五輪から、10年がたとうとしている。今季W杯はここまで葛西紀明(35=土屋ホーム)の11位が最高で、かつてお家芸と呼ばれた競技力は、かすんでしまっている。栃本翔平(18=北海道尚志学園高)伊藤謙司郎(18=下川商高)ら若手も育ってきたが、世界との差は簡単に埋められないほど広がってしまった。
原因はルール改正や選手個人の努力の問題だけだろうか? ジャンプ大会を取材する度に「これでは競技力衰退も仕方ないのでは」と思う光景を目にする。
若者がいないのだ。計測員の平均年齢はおそらく60歳以上。5割は72年札幌五輪を生で見ているのではないかと思うほど。これは北海道・札幌に限ったことではなく同・名寄、長野・白馬でも同じだ。競技開始前に「お兄ちゃん、お茶でもどうだい」と勧めてくれたり、競技途中に肉まんを差し入れしてくれたり、祖父母ほど年齢が離れているボランティアの方に感謝しているが、先のことを考えると不安になる。
日本は現在世界一の高齢国で、高齢化率は06年9月で20・7%。55年には41%に到達すると予測されている。きっとこのような場面に遭遇する機会は、これからもっと多くなるだろう。そういった社会の中で若者がスポーツに目を向け、無償でも手伝ってくれる環境をつくらなくてはならない。
今季からジャンプファンを増やそうと「スタンプラリー」が開催されている。1月5日に行われた雪印杯から、3月22日伊藤杯シーズンファイナル大倉山大会まで5大会を観戦し、スタンプ5個を集めれば、大倉山のレストラン「らむDINING」の食事券3000円分がもらえる。「花」より「団子」につられてもいい。この取り組みが実を結び、ジャンプ会場に若者の姿があふれることを願っている。