2007年11月 7日アマチュア選手に厳しい環境
自転車の女子スプリントで08年北京五輪の出場枠を獲得した佃咲江(22=北海商科大)が悩んでいる。来年3月に卒業を迎えるため、スポンサーを探しているが見つからない。来年1年間は同大に研究生として残り、競技を続けるものの、それ以降は未定。「スポンサーが見つからなければ、アルバイトしながら競技を続けるしかない」と嘆いている。
活動費は年間で約300万円が必要だ。現在は大学の部費とタマネギ農家の父が出してくれる援助で賄っている。全日本の合宿は連盟から費用が出るため、その前後に同じ場所で個人の合宿を張ることで経費を浮かしてきた。来年からは国内遠征を減らすことも覚悟している。
厳しい環境は自転車だけでない。冬季競技でも深刻だ。全日本の強化選手でも高校、大学を卒業しても就職先、スポンサーが決まらないことが多い。あるノルディックスキー・ジャンプ少年団の指導者は「ジャンプばかりやっていてもお金が稼げるわけではない。企業が取ってくれないのだから、こちらも『練習しろ』と強く言えない。それなら勉強したほうがいい」と寂しそうに話した。
不景気で企業も余力がない状況は続いている。国際大会で満足な結果を残せない競技、選手に出せる金はない。企業が金を出さない→選手の強化ができない→国際大会で勝てないという理由も成り立つが、国際大会で勝てない選手→企業の宣伝費に見合う活躍ではない→企業は金を出さないという逆説もできることが悲しい。
今後、景気が上向く気配は感じられない。クラブチームをつくり所属する数人で費用を出し合い、活動を続けるのも1つの手だが、アマチュア選手にとって厳しい状況に変わりない。
佃選手と、指導する同大の中村真司監督(42)、それに冬季競技関係者と何度か話したことを思いの向くまま書きました。私自身、このような問題は何度も新聞紙面や雑誌などで読んできました。ただ実際に話してみると、当事者は想像以上に困っています。私は具体的な解決策を提示することもできません。ただ、1人でも多くの人があらためて知ってくれれば、環境は変わるのかもしれないと思っています。