2007年6月26日変わらないものもある
第89回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)を目指す南北北海道大会の各地区予選が始まりました。球児の高校3年間のさまざまな思いがグラウンド上で交錯し、汗と涙のドラマが生まれます。かつて高校球児だった私にとっても思い入れの深い季節です。
何であんなに泣けたのだろう? 今でも不思議に思うときがあります。私は3年間1度もベンチ入りできずに高校野球を終えました。スタンドでメガホンをたたきながら、ひたすら応援歌を歌っていました。試合に出られなかった悔しさから「早く負けてしまえばいい」と思ったのも1度や2度ではありませんでした。
それでも試合に敗れ、最後の大会を終えた控室では号泣できるのです。鼻を突く酸っぱい汗臭さにまみれ、全員がむせび泣きます。誰かが言葉を発すれば、3年間が走馬灯のように頭に巡り、また涙がこぼれるのです。野球部員だけでなく、仲の良いクラスメートまでが涙してくれ、感動したことを覚えています。
今年もすでに37チームが敗退しました(25日終了時点)。そのほとんどのチームが控室からなかなか出てきません。出てきても目が真っ赤で「3年間どうだった」と聞くと、また涙があふれるのです。
きっと彼らは大人になっても、その涙を忘れないでしょう。「今の子は」「質が変わった」「何を考えているか分からない」。未成年の犯罪の増加や学校でのさまざまな問題から、いろいろな声が聞かれます。でも球児の涙を見ていると「変わらないものもあるんだ」と、すがすがしい気持ちになります。皆さんも球場に足を運び、球児の熱戦を見て観戦してください。きっと忘れていた何かを思い出すことができるはずです。