2007年6月 5日やっぱり強い駒大苫小牧
スポーツ特待制問題に揺れた今春の高校野球だったが、終わってみれば駒大苫小牧の強さだけがあらためて浮き彫りにされた感じだった。日本学生野球憲章に抵触する選手(ほとんどチームの主力)を大量に外して出場してきたのに、負けそうな雰囲気が全然ない。全道大会で戦った3試合のうち、最も苦戦したのは初戦の旭川南戦で、それ以外は圧勝だった。
常に先の塁を狙う走塁、連鎖的な失策を絶対にしない守備、一瞬の判断の正確さ。夏の甲子園で3年連続決勝進出したチームの強さはこんなものではないが、準主力級ばかりのこのチームも、強い先輩のDNAを受け継いでいるのは間違いないようだ。強かった先輩らのやっていた練習を踏襲し、そのプレースタイルをまね、動じない精神力を引き継いだのか。
05年甲子園優勝時の主将で現駒大の林裕也さんの大先輩になる旭川南の小池啓之監督(駒大OB)は、駒大苫小牧に敗れた後、「左打者がどいつもこいつも裕也の打つ姿そっくりなんだよ。まねしてるのか、こいつら、と思った」と苦笑した。本人たちが意識しているかは不明だが、偉大な先輩に雰囲気が似ることは悪いことであるはずがない。
主力が復帰する夏は、ベンチに入れない者も多く出るだろう。このまま卒業するまでスタンド応援かもしれない。そんな彼らにとってはこの春の円山球場こそが甲子園だったといえるのではないか。仮想甲子園で仮想林裕也が躍動した春。そんな思いで春の大会を見ていた自分は、年のせいか少々ロマンチストになりすぎたようだ。