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北海道発・記者ブログ

2007年4月11日頑張って欲しい中井広恵さん

 日本将棋連盟が今、女流棋士の独立問題で揺れている。

 「女流棋士」は女性棋士とは意味が異なる。プロ棋士養成機関である奨励会を実力で突破し、4段(正会員)になった女性は女性棋士と呼ばれるが、現在まで1人もいない。だが連盟は女性の将棋指しには男性とはまた違う価値を見いだし(テレビ将棋の聞き手や棋譜読み上げ係、イベントの司会など)「女流棋士」として存在を認め、女流棋戦も運営している。

 しかし女流棋士は連盟運営に何の発言権もなく、棋士総会への出席も不可。金銭的待遇が低いのは「実力不足」とあきらめるにしても、社会保険もない状況に昨年12月、女流棋士会は日本将棋連盟からの「独立」を決断した。これは当初は連盟会長の米長邦雄氏が一部女流棋士に勧めたこととされている。

 連盟理事会の後押しもあり、独立へ向けての「新法人設立準備委員会」は、ほぼ女流棋士全員の総意で結成された。稚内出身の中井広恵さんがその委員長となった。ここまでは順風満帆に見えた。

 だが連盟理事会は途中から方針を変えたようだ。独立の後押しをしていたはずが、一転して独立阻止の動きを見せ始める。それは準備委員会側から「最近の理事会の文書を拝見すると、(独立応援に)正反対ともとれる言動があまりにも多く、もしかすると女流棋士の独立に反対していらっしゃるか、或いは敢えて分裂を望んでいらっしゃるのではないかと疑問に感じております」と抗議文が出るほどの状況になった。

 女流棋士側にも一枚岩の結束が崩れ、連盟に残留希望する者も現れた。今では独立派の倍以上の人数が残留派へ移行している。

 少数派となった独立派が独立を決行するのがいいのか、それとも残留して連盟内部での待遇改善を模索していく方がいいのか。現状では何ともいえない。だが道産子棋士の中井さんが頑張っていることは間違いない。個人的には独立派を応援したい。

 場合によっては中井、石橋(幸緒)といったトップ女流が将棋を指せない状況に追い込まれるかもしれない。それは考えたくないことだが、日本将棋連盟という大きな組織の前には、少数派の女流棋士の力は微々たるものでしかない。

 私は40年以上にわたって将棋ファンであったし、今でも将棋番組は欠かさず見ている。女流棋士を応援する気持ちも人一倍強いと思っている。願わくは女流棋士が誰1人、その活躍の場を失うことなく、待遇も改善される方向に収束されんことを。今は物言わぬ男性棋士たちの声が、硬直化した連盟を動かすことを信じている。

本郷 昌幸(ほんごう まさゆき)

 北海道苫小牧市出身。76年北海道本社入社。東京支社編集整理、北海道本社取材記者をはじめ、販売部、営業部(現広告部)も経験。編集部では一般スポーツ中心にレジャー、事件・事故など社会ものまで幅広く取材。北大時代は将棋部に所属、北海道学生名人になったこともある。現在は酒とラーメンが趣味。1953年2月生まれ。

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