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北海道発・記者ブログ

2007年1月31日永遠に最強な過去の偉人たち

 昔、プロレスが大好きだったころ、世界最強レスラーは誰か、ということを本気で考えていた。ドン・レオ・ジョナサン(知ってる人はエライ!)とか、ドリー・ファンク・ジュニアとか、アンドレ・ザ・ジャイアントとか、カール・ゴッチらが候補だった。

 しかし世界最強ではないかと思っていた時期が一番長かったのは、メキシコの英雄エル・サントだ。日本で衝撃的なデビューを飾った、あのミル・マスカラスが「神様」と呼ぶ覆面レスラーがサントだった。伝え聞くその強さは伝説と化していた。

 ルチャ・リブレの選手だから、体は小さかっただろう。それでもヘビー級、超ヘビー級の選手より強いと信じていた。偽物のサントは来日したことがあったが、本物はついに姿を見せなかったはずだ。「まだ見ぬ強豪」へのあこがれもあって、私の中でサントは世界最強という高みに上り詰めていたのだった。

    ◇

 昔、競馬が大好きだったころ、中央競馬史上最強馬はどれか、ということを本気で考えていた。セントライト、シンザン、トウショウボーイ、テンポイント、マルゼンスキー、ミスターシービー、シンボリルドルフ、タマモクロス…。

 しかし史上最強ではないかと思っていた時期が一番長かったのは牝馬のクリフジだった。ダービー、オークス、菊花賞という変則クラシック3冠。11戦無敗。大きく出遅れたダービーの6馬身差圧勝。実際に見たことのない馬が数々の伝説に彩られ、私の中で「クリフジこそ最強馬」となっていった。

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 将棋の羽生善治はかつて7大タイトルを全部制覇したことがある。実績では大山康晴15世名人をも上回り、史上最強棋士と言われても不思議ではない。だが江戸時代の末期の棋士、天野宗歩を最強とする人がいまだにある。かの升田幸三(故人)も「天野宗歩は13段」(現代の段位は9段が最高)と敬意を表したほどだ。これまた、実際には見ていない人である。

 時代が異なる同士を比較することは、ある意味ナンセンスである。タイムで比べればクリフジは現代のサラブレッドにかなうべくもない。天野宗歩も現存する棋譜を見た限りでは、現代の進化した定跡の前に粉砕されるのではと思う。

 それでも過去の人は対戦できないからこそ、負けることがない。新庄剛志やディープインパクトは、いい時に引退したとあらためて思う。

本郷 昌幸(ほんごう まさゆき)

 北海道苫小牧市出身。76年北海道本社入社。東京支社編集整理、北海道本社取材記者をはじめ、販売部、営業部(現広告部)も経験。編集部では一般スポーツ中心にレジャー、事件・事故など社会ものまで幅広く取材。北大時代は将棋部に所属、北海道学生名人になったこともある。現在は酒とラーメンが趣味。1953年2月生まれ。

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