2007年1月 1日本物の味は目立たぬ所にある
今年の札幌ラーメンのベスト・オブ・ベストを決める日刊スポーツ選定「06年札幌ラーメン大賞」を12月27日付紙面で発表させてもらった。ラーメンの達人7人から推薦をもらい、投票の多さで決定。大賞「黒帯」(北区新琴似)最優秀新人賞「まるは」(豊平区西岡)とも私が取材に行ったが、この両店は驚くほど共通点が多かった。
まず非常に目立たない、わかりづらい場所にあること。ともに表通りに面していない、車で走っていても見逃してしまいがちな店。あえて立地の悪さを求めたわけではないとは思うが、「味さえ良ければ客は来るはず」という自信があったのだろう。「黒帯」は今では行列店である。
続いて味に対する徹底したこだわり。「黒帯」にはコショウ、唐辛子など香辛料は一切置いていない。店主が味をしっかりと見て、ベストと思う状態で出しているのだから、へたに香辛料を振りかけてほしくないのだという。「まるは」の店主は逆に客の意見やネットの書き込みを丁寧にチェックし、少しでも味を向上させる努力を重ねている。日々、進化を続ける味は、次回が楽しみになる。全く逆の方向から「最高」を目指す両店主。
おまけに風貌まで似ている。ともに口ひげ、アゴひげの店主だ。一見「こわもて」ながら、実は腰の低い接客で風貌とのギャップに驚かされる。両店とも最も出るメニューはみそラーメンだそうで、これを残念がる点でも一緒だ。「黒帯」店主は「醤油ラーメンが最も苦心した味」といい「まるは」店主は「中華そばを食べてほしい」という。
私は両店の開業直後に行ったことがあるが、当時はどちらも閑古鳥が鳴いていた。だが、味のハイレベルさに「いずれブレークする店だ」と確信した。マイカーでないとなかなか行けない店だが、決して後悔はしないはず。本物の札幌ラーメンが、ここにある。