2007年6月 6日13万1185人の1人
前々回に書いた歌舞伎座に続き、東京でなければできない人生初の経験をしました。
5月下旬の日曜日、その日は休日でした。たまたまです。休みだったことさえ気付いていなかったのですから、当然予定していたわけではありません。前日深夜、業務も終了に差しかかったころ、周囲の様子が少しいつもと違っていました。数人が同じ理由でそそくさと帰路に就きます。それで気付きました。
翌日、早起きはできませんでしたが、2分20秒ちょっとのその瞬間を見るためだけに、そこに向かいました。集まった13万1185人の大多数が求める、自身への“見返り”はこの日は二の次。テレビでしか見たことのない13万という「人の塊」を、この目で見るためでした。

スタートのファンファーレが演奏されると、生まれ故郷・函館の人口の約45%に相当する人間が、一斉に手拍子していました。超満員の札幌ドームの3倍の人間が、絶叫していました。塊の発するどよめきに、体が震えました。
その上に、です。残り400メートルの標識前で、歴史の証人になりました。第74回東京優駿。64年ぶりの牝馬による日本ダービー制覇の瞬間。僕の目の前を、ものすごい脚で駆け抜けていったのは、「ウオッカ」という名の女の子でした。ほれました。大観衆の多くも、きっと同じ思いだったはず(13万人にほれられるって、トンデモないモテモテっぷり! じゃないですか)。さらに、です。来場していた皇太子さまとお会い? しました(どこにいるのかは見えませんでしたけど)。ついでに、安倍首相も見ました(特に感想はなし)。
府中の杜(もり)、東京競馬場。「壮観」という言葉は、このシーンのためにあるんだと実感した1日でした。ただ…二の次とは言いながら、3連単配当が215万5760円も付いた馬券を100円でも取れていれば…なんて考えた自分とサイフが、寂しいなぁ(目黒記念でちょっとだけリカバーってとこが、さらに寂しいなぁ…)。
(写真:改修された東京競馬場のフジビュースタンド。ダービーの開催されたこの日は、13万人が訪れた)