2006年12月 3日「拝啓、日本ハム様 失礼いたしました」
僕は今、新聞社では一般的に「整理部」と呼ばれる部署で仕事をしています。整理部って何? というのが、一般的な認識でしょう。僕も自分がやるまでは??? でしたから。整理部員は、与えられた1ページの制約の中で記者やカメラマンの原稿、写真を取捨選択して扱いの大きさを決め、見出しをつけてレイアウトするのが仕事です。
だから「最初の読者」でもあります。記者がどんなに苦労した記事でも、小さくしかならなかったり、ボツにすることもあります。逆に、記者の予想以上に大きくなることも。大きくしたり、小さくしたり、ボツにしたり…、判断基準は「読者として興味があるかどうか」。それだけです。
「面白い!」と思うものは、見出しが大きくなります。スポーツ紙特有の「○○結婚!!」なんていうのが、分かりやすい例です。だから毎日「面白いと思うネタに、いかにインパクトのある見出しをつけて、いかに大きくできるか」ということに頭をひねっています。
時には記事に書き込まれていないニュアンスで「取材対象からは怒られちゃうんじゃないか」という辛口な見出しをつけることもあります。特にプロスポーツに多いのですが、連敗中だったり、不祥事が発覚したり、マイナスの事象がテーマの時です。でも、大多数の読者がそのことを知りたい、読みたいと思っているなら、辛口見出しも必要だと僕は思っています(記者の皆さん、ごめんなさい)。
そういう見出しの中で、僕が今年反省しなければと思っているものが1つあります。8月20日、日本ハムを扱った5面(北海道版)の「ハム 駒苫みたい」です。
前日8月19日、夏の甲子園では北の怪物・田中投手がいる駒大苫小牧高が3年連続の決勝進出を逆転で決めました。その夜の日本ハム(3位)対ロッテ(4位)は、日本ハムが7回2死から4連打で4点差を大逆転。ゲーム差をプレーオフ進出安全圏の「4」としました。1面の見出しはもちろん「駒苫 王手」。北海道は甲子園一色に違いない。反撃の口火を切った稲葉選手も「まるで甲子園のよう」とコメントしていました。そこで思い付いた日本ハムの見出しが前述のものだったのです。
ところが、です。シーズンが終わってみれば、日本ハムはレギュラーシーズン1位通過、25年ぶりパ制覇、44年ぶりの日本一へと登り詰めました。その瞬間、思いました。「あの日、なんて失礼な見出しをつけてしまったんだろう…」。いかに駒大苫小牧が偉業を成しとげているとはいえ、プロ球団を高校野球と比較するとは…。今となっては、今季こんな素晴らしい成績を残した日本ハムの選手、スタッフの皆さんに申し訳ない思いでいっぱいです。
言い訳ではないですが、その分シーズン終盤は頑張りました。優勝争いや日本シリーズは、ライバル紙に負けない紙面を作ったと思っています。許してください。