2008年03月03日

少女の“ダークサイド”も描写

「ライラの冒険」(日)

 「子供」は無邪気で天真爛漫(らんまん)で無垢(むく)。大人は決まりきったように言いますが、少し疑問です。自分を振り返ると、果たしてそうだったのでしょうか。今ほど「打算」を人間関係に持ち込んでいなかったと思いますが、子供なりの計算もあっただろうし、ウソもつけば、人をからかったり、イジメもした。ズル賢い面も絶対にあったはずです。

 この作品の面白さの1つは、子供が持つ“ダークサイド”も描いているところ。ヒロインの少女ライラはおてんばで、ウソをつくことが大好き。決していい子ちゃんでないところがいい。次々と訪れる危機を勇敢さで切り抜ける時もありますが、持ち前の“ウソ”に救われる場面もあります。ステレオタイプではなく等身大で描かれる子供が、友だちを救うために世界の果てまで乗り込んでいく展開に引き込まれます。

 私たちが生きる今の世界と違う、もう1つのパラレルワールド(並行世界)が舞台。冒頭から「教権」「真理計」「ダイモン(分身のような動物守護精霊)」など、なじみのない言葉や設定が当たり前のことのように進行していきます。考えてみれば、あの「スター・ウォーズ」だって、「フォース(理力)」やら「ジェダイ」など、独特の世界観をそのまま受け入れて楽しみました。こちらの作品も、取っ掛かりにくいと思わず、流れに身を任せれば自然に冒険に引き込まれていきます。

 もう1つ。主人公にとってダースベイダー的ポジションの悪女を演じるニコール・キッドマン。これ以上ない、はまり役です。【松田秀彦】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

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