2008年02月03日
全世代に響く拓郎ソング
「結婚しようよ」(日)
映画にはR15とかR18とか、年齢制限がある作品もあることはご存じの通り。今作のチラシには小さく「R45? 45歳以上の人におすすめ」と書いてあります。というのは全編通して吉田拓郎の曲で満載だからでして。確かにタイトルになっている「結婚しようよ」をはじめ、70年代前半の曲が多く、私だって「懐かしのあの名曲」です。でもR45とは言わずR35、いや、このさいRは取っ払ちゃいましょう。全世代、全方向OKです。
主役の会社員香取(三宅裕司)は学生時代に歌手になる夢を持っていたが、今は家族をこよなく愛する父親。そんなキャラクター設定もあり、全編を途切れることなく拓郎ソングが流れます。ざっと22曲。でもしつこくはまーったくなく、古さもぜーんぜん感じません。いい歌はいつの時代もいいってことなんだとしか言えないんですが、まあそういうこと。
あとは、物語が今とこれからに焦点を当てているからでしょう。夢破れた会社員が主人公と聞くと「歌に再挑戦→頑張りすぎた歌唱シーン」という、こっちが恥ずかしくなる図式が思い浮かぶのですが、これは違います。長女(藤沢恵麻)と青年(金井勇太)の恋に、田舎暮らしを始める老夫婦、二女(中ノ森BANDのAYAKO)のバンド活動と、全部が前を向いているのです。押しつけがましい汗や涙、「昔は良かった」と言うだけのノスタルジックさはありません。
名曲の数々が「結婚しようよ」の大団円へ収束していく感じもすてきです。【小林千穂】
(このコラムの更新は毎週日曜日です)
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