2008年01月27日

強烈キャラさらり演じる荒川

「全然大丈夫」(日)

 キャラクターも物語も、ユルさ全開のロマンチックコメディー。ユルさ加減が心地よい。ぬるめのお風呂につかり、徐々に疲れが取れていくような感覚である。疲弊しきった心身への癒やし効果は絶大だった。

 ロマコメとはいえ、華やかな雰囲気からは程遠い。題名と違い、登場人物は「全然大丈夫」じゃない人ばかり。人を怖がらせることが生きがいの古本屋の長男(荒川良々)、いい人過ぎるサラリーマン(岡田義徳)、異常に不器用な美人(木村佳乃)。ユルい人生に壁を感じた男女の不器用な恋物語が展開していく。

 荒川主演ありきで進んだ企画。脚本に当て書きされたキャラクターは、存在感に負けないほど強烈だ。

 父親に「憩いまくりたいの!」と言い放ち、キモカワイイ化け物フィギュアだらけの部屋で友人とお化けごっこを楽しむ29歳。幽霊が出ると評判の部屋にわざわざ出向き、「ホントにホントにホントにホントにライオンだ~」と富士サファリパークのCM曲を歌って恐怖と戦う。これだけ強烈なキャラクターをさらりと演じることで、ユルさを演出している。

 やさしい印象の岡田もいい人役にハマっているが、木村佳乃に驚かされた。美人なのに、ちくわをむしゃむしゃと食べる姿に違和感がない。何をしてもダメな役柄だが、本当に負のオーラが…。コメディアンヌとしての才能を存分に発揮。新たな一面を見せてくれた。

 一方、ラストが「これで終わりなの!?」と思うほど、少し唐突な感じも。でもなぜか「全然大丈夫ー」というオールOKな気分になっているから、不思議である。【近藤由美子】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

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