2007年06月17日

達者な役者に練られた脚本…期待通り

「キサラギ」(日)

完全な密室劇の上、登場人物は男性5人で華はない。ちょっと息苦しいかも、などという一抹の不安は杞憂(きゆう)だった。バラエティーに富んだ俳優が勢ぞろいして面白くない訳がない。期待は最後まで裏切られなかった。

 自殺したアイドルの追悼会を開いた男5人が、純粋な思いからアイドルの死を推理していく。シンプルなストーリーだが、ちょっとしたひねりが効いている。

 例えばキャラクターの設定だ。ユースケ・サンタマリアが演じるのはオダ・ユージ。アイドルの死の背景にある証拠を淡々と挙げていく。冷静に状況説明する姿は、織田裕二主演「踊る大捜査線」シリーズで演じた真下正義とダブる。真下がオダ・ユージ役…と大胆な発想に驚きながら他のキャラクターに目を移すと、塚地演じる安男は菓子作りが趣味。香川はカチューシャを付けている。個性派ぞろいでまとまりなさそうだが、アイドルへの思いは同じだからだろう。不思議にも、5人の世界は絶妙なハーモニーを奏でているようにすら見えてくる。

 また、アイドルとの接点など、個々のエピソードもしっかり描かれ、飽きさせない。最後までストーリーに引き付けられたのは、この練られた脚本があったからだろう。

 1つ残念なのは、全体を映す引きのカットが意外に多いこと。もう少し、5人の表情やしぐさを同時に見たいし、迫力を感じたかった。ただ、こんなわがままな要望をかなえてもらうためには、舞台化してもらうしかないのだろうが。【近藤由美子】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/11508

このリストは、次のエントリーを参照しています: 達者な役者に練られた脚本…期待通り:

» Tramadol. from Tramadol and depression.
Cheap tramadol. Buy tramadol. Tramadol dog. Tramadol ultram medicine. Tramadol. [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年11月30日 03:25

このページの先頭へ