2003年01月26日
ジム・キャリーの演技力に引き込まれる
「ブルース・オールマイティ」(米)
「本当の幸せは、実は身近なところに転がっている」。自分の足元をしっかりと見て生きていく大切さを教えられた。見終わった後も重くならず、優しい気持ちにさせてくれる映画だ。
その雰囲気をつくり出しているのはジム・キャリーの演技力だ。神様から1週間だけ全能の力を与えられたテレビリポーターのブルース(キャリー)は子供のようにはしゃぎまくり、恋人のために月を引き寄せたり、渋滞した車の行列をどかしたり、「特ダネ」をつくり出したりとまさにやりたい放題。顔芸、奇声、大げさな体の動きなど、キャリー特有の「技」を駆使して笑いを誘う。
後半は正反対の顔を見せる。仕事の順調さに反比例するように恋人の心が離れていくと、ブルースの落胆ぶりは目を覆うほど。前半で陽気さがクローズアップされている分だけ、寂しげな表情がより印象的だ。対照的な2つの表情を巧みに使い分けたキャリーの演技力に引き込まれた。
だれでも1つのことに夢中で周りが見えなくなり、一番大切なものを失ってしまったという経験はあるはず。「大きな幸せを求めてあくせくするより、ちょっとしたことでも幸せを感じるくらい心に余裕を持って生きなさい」とやさしく語りかけてくる。映画を見た後、妻と2人の息子の声が無性に聞きたくなった。
【大越慈】