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2008年03月04日

一難去ってまた一難、今度は俳優組合ストの危機

 大きな損失をもたらせた脚本家組合(WGA)のストライキがようやく解決し、活気が戻ったばかりのハリウッドですが、今度は6月30日に現役契約が満了する俳優組合(SAG)が、ストライキに入るのではないかと、戦々恐々となっています。

 契約満了を数カ月後に控えたSAGは、すでにストライキに備えた動きが活発化しており、関係者たちの間では悪夢が甦るのではとの声が日増しに強まっています。昨年11月初旬から約3カ月間に及んだWGAのストライキは、ハリウッド映画、テレビ業界を巻き込み多大な損害を出したことは記憶に新しいところですが、2月24日に行なわれた第80回アカデミー賞授賞式を目前にようやく解決。延期されていたテレビドラマや映画の撮影も再開され、ようやく業界に活気が戻ってきたばかり。そんな中で、SAGは7月からスト突入も辞さない強硬姿勢を見せているため、今後の動向に大きな注目が集まっています。

 スタジオ側との契約が満了するSAGには、大物俳優を含む12万人の会員がいます。渡辺謙らハリウッドで活躍する日本人俳優も会員になっており、スト突入となればハリウッドで活躍するほとんどの俳優が仕事ができなくなってしまいます。当然ながら、撮影は中止され、WGAのストライキ以上の損害が出ると予想されています。

 1本の映画で数億円を稼ぐトップ俳優は、例えストになっても生活苦に陥ることはありませんが、末端の俳優たちの多くは撮影が休止すればすぐに食うにも困る状況に陥ることは一目瞭然。しかし、SAGのアラン・ローゼンバーグ会長は7月にもスト突入の強気な姿勢を崩しておらず、ジョージ・クルーニー、トム・ハンクスと言ったスターたちからも批判の声が出始めています。陳情に訪れた彼らは、ストを回避するために一刻も早く交渉の場につくように強く要請したと伝えられています。

 1000人の署名も集め、新契約の是非を問う投票は迅速かつ公平に行なうために全会員ではなく、俳優として実際に生計を立てている人のみを対象にすべきだとの要請を行なうなど、スト回避に向けた活動も内部で活発化しています。
 これまで交渉がいつ始まるのかすら決まっていなかったSAGですが、ローゼンバーグ会長は早ければ4月にも交渉の場につくことを先日、発表しました。これにより、一歩前進との見方も強まっていますが、業界ではすでにストに備えた動きも出始めています。

 大手保険会社は、スタジオにスト突入の期限となる6月30日までに撮影を終えることができなかった作品に対し、保険金が支払われるというストライキ用の保険を提案。これによると、事故や俳優の病気など突発的な事情で撮影が終了できなかった場合、撮影費用を補償するというのです。

 WGAのストでは、多くのテレビドラマが撮影中止に追い込まれ、大作映画も脚本の書き直しができないことなどを理由に撮影が延期になった背景が、こうした保険に結びついたと言えるでしょう。しかし、スト突入の場合の経済損失は大きく、ハリウッドが再び大きな打撃を受けることは避けられません。スタジオ側はすでに、現時点で6月30日までにクランクアップできないと予想される作品には撮影許可を出さないなど、ストに備える準備に入っています。

 「4月以降に交渉開始」と発表された後も、「故意に引き伸ばし、時間稼ぎをしている」との批判の声が絶えず、WGAスト同様に最後の最後まで「ストライキ」という切り札を散らつかせる両者間攻防戦が続くことになりそうです。

 ゴールデン・グローブ賞授賞式の中止などハリウッドの歴史に残る大事件となったWGAストで暗いムード漂うハリウッドだけに、1日も早い解決を願ってやみません。(このコラムの更新は毎週火曜日です)

March 4, 2008 12:28 PM

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