2008年01月15日

近づくアカデミー賞に影を落とすWGAスト

 米脚本家組合(WGA)の長引くストライキの影響で授賞式が中止に追い込まれた第65回ゴールデン・グローブ賞が13日、ひっそりと発表されました。

 例年と同じく、ビバリーヒルズのヒルトン・ホテルで行われた受賞発表会ですが、そこには赤じゅうたんはなく、豪華なドレスに身を包んだスターの姿もない。会場にいるのは各賞にノミネートされたスターではなく、報道陣というなんとも寂しい記者発表会となりました。

 昨年11月5日から行っているWGAストライキは年を越しても解決の糸口が見つからず、授賞式の台本が作れないこと、WGAを支持するスターたちが授賞式への不参加を表明したことなどで、苦肉の策として中継するNBCテレビは人気エンターテインメント番組の司会者が各賞受賞者を発表する記者会を1時間の特番として放送することに。

 例年なら大物スターたちが華やかにレッドカーペットを歩きながらインタビューに答え、会場では多くのスターの談笑する様子や受賞者のスピーチなどが見られるだけに、今年はいったいどれだけの人が番組を見たのでしょう。視聴率もそうですが、広告収入も激減し、NBCは多額の損失を被ったことでしょう。

 ゴールデン・グローブ賞はアカデミー賞の前哨戦として知られ、受賞作品は今後のプロモーションや興行にも多大な影響を与えてきただけに、今回の授賞式中止は各作品の興行面にも暗い影を落とすことでしょう。本命不在と言われ、激戦が予想された今年のゴールデン・グローブ賞は各作品にバラつきが出る結果となりました。ドラマ部門作品賞を制したのは、キーラ・ナイトレイ主演の「つぐない」。コメディ/ミュージカル部門作品賞にはジョニー・デップ主演の「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」が輝き、ジョニーは同部門主演男優賞も受賞しました。

 ドラマ部門主演男優賞は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ=ルイス、同主演女優賞は「アウェイ・フロム・ハー」のジュリー・クリスティーが、それぞれ受賞しました。前評判の高かったコーエン兄弟がメガホンを取った「ノーカントリー」は、脚本賞と助演男優賞(ハビエル・バルデム)が受賞する2冠という結果に。

 授賞式後に行われる恒例のアフター・パーティーも当然ながら中止となるなど、同賞の中止に伴うロサンゼルスの経済損失は計り知れないものがあります。一説には90億円近い損失とも言われており、長引くストライキにハリウッドではいら立ちの声も出ています。

 そして今月22日にはいよいよアカデミー賞の各候補が発表されます。アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーと生中継するABCテレビは、今年の授賞式はいかなることがあっても予定通り行うと明言していますが、WGAのストライキが長引けば、影響が出ることは必至。2月24日に予定されている授賞式は果たして無事に行われるのでしょうか。関係者たちはまだまだ不安な日々を過ごすことになりそうです。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)

January 15, 2008 11:13 AM

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