2008年01月01日

WGAのストで暗雲漂う2008年ハリウッド

 昨年11月5日から始まった脚本家組合(WGA)のストライキの影響で、新作映画の撮影が延期されたり、脚本のリライトが出来ないために出演が決まっていた俳優が降板するなど相次ぐトラブルに見舞われているハリウッドで、今最大の関心ごとは今年の賞レースシーズンをどう乗り切るか。WGAのストは解決の糸口をつかめずにおり、このままではゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞などの授章式も無事に行われないのではないか? と、心配する声もあがっています。

 13日に予定されているゴールデン・グローブ賞授章式は、NBCテレビが全米に生放送することになっていますが、当日までにストが解除されなかった場合、多くのスターが授章式を欠席するという前代未聞の事態になるかもしれないと予想されています。というのも、WGAが授章式当日に会場前でデモを行った場合、彼らを無視してピケを突破して会場入りすることは出来ないという声が、多くの俳優たちから挙がっているからです。

 ジョージ・クルーニーらWGA支持している俳優は少なくなく、俳優組合(SAG)もWGA支持を表明していることからWGAのデモ突破は事実上不可能。ノミネートされた俳優たちも、メディアの取材で授章式への参加については明言を避けるなど重苦しい雰囲気が漂っています。授章式を進行するための台本も構成作家がWGA会員のため執筆依頼することできず、今年のゴールデン・グローブ賞はどうなるのか直前まで分からない緊迫したものになりそうです。このままでは台本なし、出席者なしという史上最悪の事態になってしまうかもしれません。

 WGAはゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞主催者側からのWGA著作物の使用許可申請を拒否することを明言するなど、非協力的な態度を示しているだけに、今後の対応次第では授章式がテレビ中継から消えることもあるかもしれません。

 そんな中、8日に行われる第34回ピープルズ・チョイス賞の授章式は、早々に非公開で行われることが決まりました。これに伴い、レッドカーペットをスターが歩くこともなくなると予想されています。映画ファンにとってはなんとも寂しい授章式になりそうです。

 例年ならこの時期のハリウッドは1年でもっとも華やかになる季節。街中でさまざまなパーティーが行われ、授章式に参加するスターたちの様子がメディアに取り上げられるのですが、今年はトーンダウンした感じが否めません。各授章式後には盛大なアフターパーティーが行われるのが恒例のハリウッドですが、今年ばかりは授章式の行方すら不透明なため、アフターパーティーの準備も行えない状況になっているといいます。

 88年に実施されたWGAのストライキは5カ月にも及び、総額5億ドルの損害をもたらせたといわれていますが、すでに多くのテレビ番組や映画の製作が中止され、解雇者が続出しているだけに、業界全体で前回を大幅に上回る損失が出ると予想されています。このままストが長引けば、テレビドラマのラインナップも大幅に変更を余技なくされ、映画館もリバイバル作品が目立つようになってくることでしょう。そして今夏に契約が切れる監督組合(DGA)も年明け早々にテレビ局・映画スタジオ製作側の団体との話し合いを行う意思を示しており、両者の話し合いの行方にも注目が集まっています。

 さらにストライキが長引けば、2月24日に予定されているアカデミー賞授章式にも多大な影響を及ぼすことは明白。ハリウッドは先行き不安な2008年の幕開けとなってしまいました。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)

January 1, 2008 11:46 AM

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