2007年11月27日
大ブレークのシャイア・ラブーフ、来年も大作目白押し
ハリウッドで今、もっとも注目され、将来が嘱望されるのは今年大ブレークした俳優シャイア・ラブーフ。スティーブン・スピルバーグ監督に見初められ、大作「トランスフォーマー」、日本で公開中の「ディスタービア」とドリームワークス作品に立て続けに主演。スピルバーグの秘蔵っ子として人気も急上昇している。来年は「インディ・ジョーンズ4」、「トランスフォーマー」の続編、政治サスペンス「イーグル・アイ」への出演も決まっており、さらなる飛躍が期待されている。
続編の大作が目白押しだった今夏、隣家をのぞき見したことで事件に巻き込まれる高校生を演じた「ディスタービア」は10週連続でトップ10入りする大健闘で8000万ドルを超える興行収入を記録。「トランスフォーマー」も全米で3億1900万ドルを超える大ヒットとなり、ラブーフは一躍スターダムに躍り出た。
若干21歳で彗星のごとく現れたラブーフだが、意外に下積みは長い。スタンダップ・コメディアンとして地元ロサンゼルスのコメディクラブでステージに立ちながら、オーディションを受ける日々を過ごし、00年から03年にかけてはディズニーチャンネルのドラマ「おとぼけスティーブン一家」に出演している。03年は「ホールズ」で映画デビューした後は、「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」、「アイ,ロボット」、「コンスタンティン」などの次々と大作に脇役で出演し、キャリアを積んでいった。
今年は主演した2作品とも大ヒットし、ティーン雑誌「ティーン・ピープル」が選ぶ新人男優賞に輝き、名実ともにスターの仲間入りを果たした。そして来年は、いよいよハリソン・フォードと共演する「インディ・ジョーンズ4」が公開される。フォード演じるインディの若き相棒役に抜擢されており、新旧スターの夢の共演に注目が集まることは間違いない。
そんなラブーフは18才で、ロサンゼルス郊外に一軒家を購入するも、同年代のリンジー・ローハンらメディアを騒がせるお騒がせセレブとは対照的に「まじめに俳優に取り組みたい」と、ハリウッドの華やかな喧騒からは遠ざかる生活を送っている。キャリアではなく私生活ばかりが注目される「パーティーボーイ」にはならないと心に決めているようだ。しかし、今月初めにシカゴのドラッグストアに不法侵入した容疑で逮捕されて世間をあっと驚かせたが、今のところこの事件は今後のキャリアにはあまり影響はないだろうと思われている。
「成功して得たことの一つが、ヒーローだったインディ・ジョーンズに会えたこと。ハリソン・フォードとリハーサルで会ったときが、俳優人生で最高の瞬間だった」と、本人はまだまだ無邪気な一面も見せている。今どきの普通のティーンエージャー役が続いたラブーフだが、「イーグル・アイ」では一転してテロリストとして無実の罪をきせられたニートの青年を演じる。大スターとの共演、そして新たな難役への挑戦で、どんな演技を見せてくれるのか、とても楽しみだ。
November 27, 2007 12:33 PM | トラックバック (0)
2007年11月20日
3D映画続々、大作が目白押し
英国最古の叙情詩を全編3Dで映画化した「ベオウルフ/呪われし勇者」が、週末3日間で2810万ドルの興行収入を記録し、初登場1位にを輝いた。「ポーラー・エクスプレス」に続いてロバート・ゼメキス監督が、俳優が実際に演じた動きをコンピューターに記録するモーション・キャプチャー技術を駆使して、幻想的な世界を壮大に描いている。
伝説的な英雄ベオウルフをレイ・ウィンストンが演じ、アンソニー・ホプキンス、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコビッチら実力派俳優が脇を固め、CGと俳優の究極の融合で迫力ある映像が体感できる。専用の眼鏡をかけて鑑賞するこの作品は、驚くほどクリアな立体映像を実体感できることが特徴だ。
興行の約4割が、一般映画館638カ所での立体映像上映と巨大スクリーンのアイマックス・シアター84カ所での上映によるものだったことからも、3D映画への期待の高さが伺える。ホームシアターが進化する中で映画の新たな形態として期待される3Dは、今後急速に普及することが予想されている。デジタル3Dのパイオニアとして知られるリアルDは、07年末までに全世界で1200のスクリーンを導入する予定で、2年後の09年には一気に5000スクリーンにまで拡大することを目指しているという。
それにあわせて3Dコンテンツも次々に製作されている。来年1月には全編3Dで撮影された初のライブ映画として、U2の南米ライブツアーを題材にしたドキュメンタリー「U2 3D」が公開されるほか、ディズニー、ニューライン・シネマも3D作品の公開を予定している。そして、09年にはドリーム・ワークスも3D映画へ本格参入することが発表されており、「モンスターズVSエイリアンズ」「ハウ・トゥ・トレイン・ユア・ドラゴン」、そして人気シリーズ「シュレック」の4作品目となる「シュレック・ゴウズ・フォース」の3本の3D作品が公開される。さらに、スティーブン・スピルバーグ監督とピーター・ジャクソン監督が、世界的に人気の「タイタンズの冒険旅行」をモーション・キャプチャーを使って全編3Dで映画化することも決まっている。計3本のシリーズ化となる予定で、両監督が少なくとも1本を監督することになっている。
他にもティム・バートン監督が「不思議の国のアリス」をディズニーで3D映画化し、20世紀FOXはジェームス・キャメロン監督の「アバター」を3Dで公開する予定だ。また「スターウォーズ」シリーズの3D版公開も数年前から噂されている。
3D映画は、実写では実現できない映像、平面のアニメーションでは表現できなかった世界観を作り出すことができる。3D映画は観客が映画館に足を運ばないと体感できず、劇場内で隠し撮りができないため海賊版対策としての期待も大きい。大物監督が相次いで3D映画を推奨していることからも、3D市場の需要の高さが伺える。
どんな作品でも3Dにすれば当たるというわけではないが、今後は確実に3D映画が増えていくことでしょう。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
November 20, 2007 09:35 AM | トラックバック (0)
2007年11月13日
オスカー候補作品&俳優まとめて教えます
ホリデーシーズンも近づき、ハリウッドも来年のアカデミー賞の話題がちらほらと出はじめています。80回を迎える来年のアカデミー賞は、2月24日にハリウッドのコダック・シアターで授賞式が行われますが、来年はどの作品、俳優が栄光のオスカー像を手にすることができるのでしょうか。これから年末にかけて公開される作品もたくさんありますが、現段階で「オスカー候補」に挙げられている作品、俳優をまとめてお教えします。
まずは作品賞。評判が最も高いのはラッセル・クロウとデンゼル・ワシントン共演の「アメリカン・ギャングスター」。60年代にニューヨークを舞台に活躍した黒人ギャングの実話を基にした作品で、ギャングのボスを演じるワシントンは主演男優賞候補にも名前が挙がっています。メガホンを取ったリドリー・スコット監督も監督賞候補となる可能性があります。
ジョニー・デップとティム・バートン監督が再びタッグを組んだ「スウィーニ・トッド フリート街の悪夢」も、全米公開は12月21日ですが、早くもオスカー候補の呼び声が高まっています。ジョニデも主演男優賞の期待が高まっているほか、バートン監督もノミネートの可能性があります。
異才兄弟監督コーエン兄弟の4年ぶりとなる新作「ノー・カントリー」も、米メディアから大絶賛されている作品の一つ。カンヌ映画祭でも無冠に終わったものの高い評価を得ており、アカデミー賞作品賞にノミネートされた「ファーゴ」をほうふつさせると評する批評家もいます。同作品はコーマック・マッカーシーの小説「血と暴力の国」の映画化で、砂漠で偶然にも大量の死体とヘロイン、そして現金200万ドルを発見した男が、謎の殺人者に追われる逃亡劇。不気味な暗殺者を演じるハビエル・バルデムの“怪演”も助演男優賞の可能性があるでしょう。
ジョージ・クルーニー主演のサスペンス・スリラー「マイケル・クレイトン」も評論家受けは抜群で作品賞ノミネートは確実視されており、キーラ・ナイトレイ主演の同名ベストセラー小説を映画化した「アトーンメント」も評価が高い作品の一つです。トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツが共演する「チャーリー・ウィンソンズ・ウォー」も作品賞の期待が高いほか、主演男優賞、助演女優賞にそれぞれノミネートされる可能性もあるでしょう。
今年は来年の大統領選挙を見据えて戦争やテロを題材にした作品が相次ぎましたが、ロバート・レッドフォードがメガホンを取り、トム・クルーズ、メリル・ストリープが出演した「大いなる陰謀」など期待外れの評価に終わった作品も多く、ポール・ハギス監督の「エラの谷」以外は賞レースに絡むことはなさそうです。また、過去4度ノミネートされながら無冠の巨匠シドニー・ルメット監督の新作「ビフォア・ザ・デビル・ノウズ・ユー・アー・デッド」は、「シドニーの復活」と評される出来栄えで、再び監督賞にノミネートされる可能性も。
主演男優賞は、「アメリカン・ギャングスター」のデンゼル、「マイケル・クレイトン」のジョージ、「スウィーニ・--」のジョニデ、「エラの谷」のトミー・リー・ジョーンズ、「チャーリ・--」のトムらがノミネートされる可能性が高いでしょう。また、ジャック・ニコルソン(「ザ・バケット・リスト」)、ジョン・キューザック(「グレース・イズ・ゴーン」)も可能性があり、楽しみな賞レースとなりそうです。
主演女優賞は「マイティ・ハート/愛と絆」のアンジェリーナ・ジョリー、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」の二コール・キッドマン、「アトーンメント」のキーラ・ナイトレイ、サンダンス映画祭で大絶賛された「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」のケリー・ラッセルといった面々が有力視されています。
これらの作品は、日本でもお正月映画として公開されるものもあるので、劇場でチェックしてみてはいかが。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
November 13, 2007 11:10 AM | トラックバック (1)
2007年11月06日
WGAスト長期化ならテレビドラマに影響
ロサンゼルス時間5日午前0時1分、ついにハリウッドの脚本家たちがストに突入した。
全米脚本家組合(WGA)は、10月いっぱいで映画・テレビ製作者共同組合(AMPTP)との契約が切れることを機に、数カ月間にわたって両者の間で労使交渉が行われてきた。WGAはDVD販売やインターネットに作品が配信される際の2次使用料の大幅な増額を求めてきたが、AMPTPは受け入れを拒絶していた。WGAは1日にストを決行すると発表していたが、3日午後になって急きょ、ストを避けるための土壇場交渉が行われたが、ここでも和解には至らずに決裂に終わった。
ストを決行するのは、ハリウッド映画やテレビドラマの脚本家約1万2000人。5日にはハリウッドのスタジオ前やニューヨークなどでピケラインを張った他、撮影ロケ地として知られるボストンやラスベガスなど全米各地でも大規模なストを行うという。WGAは1988年以来、約20年ぶりのストとなるが、長期化した場合、長期化計画で製作される映画と違い、真っ先に影響を受けるのがテレビドラマだといわれている。映画スタジオもテレビ局も、ストを想定してある程度脚本のストックは蓄えているものの、毎週放映するテレビドラマは、長期化すれば脚本が底を付いて、シーズン途中で打ち切りに追い込まれることは避けられない。
テレビ局各社は、ストによって番組の編成スケジュールを変更する予定はないとコメントしているが、脚本が底をついた時点でドラマの撮影はストップせざるを得ない。その場合は再放送で穴埋めをするとの考えを示しているが、それだけではすぐに飽きられてしまう。そこで、考えられるのが、脚本のいらないリアリティー番組の製作だ。演技や脚本のいらない素人出演番組は、確かにこの数年で人気を博している。アイドルを発掘するオーデョション番組「アメリカンアイドル」から、パリス・ヒルトンと二コール・リッチーが田舎の農村で生活する「シンプルライフ」まで、さまざまなリアリティー番組が製作されている。テレビ局にとって、高い脚本料を支払わずとも簡単に製作できるリアリティー番組は、ストの穴埋めとしても重宝されることでしょう。
NBCテレビは、ストが決行された場合、深夜に放送されている人気トーク番組「ザ・トゥナイト・ショー」が、5日から再放送に切り替わることを発表した。他のトークショーにも順次、再放送へと切り替わると見られ、すでにストの影響が出始めている。視聴率の高い人気番組は、来年1月まで放送できるだけの脚本はストックしているというが、ストが数カ月間に及んだ場合は、現在放送中の大ヒットドラマ「ヒーローズ」なども影響を受けて、途中で打ち切りになる可能性も出ている。人気ドラマの打ち切りや、質の悪いリアリティー番組のたれ流しなど、テレビ各局はしばらく苦戦を強いられることになりそうだ。
1988年に行われた前回のストは、22週間にも及び、業界全体で5億ドルもの損害を出したといわれている。WGA側は、「脚本家がいないと作品が作れない」と、自分たちが交渉において有利な立場であることを強調しており、強行な姿勢を崩していない。AMPTP側も「ストに対する備えはできている」と語っていたことから、今回も長期化は避けられないとの見方も強まっている。
焦点はインターネット時代の新しい利益配分方法を巡る争いだけに、今回の交渉内容は、来夏に予定されている米俳優組合と監督組合の労使交渉にも大きな影響を及ぼすと見られている。将来的に映画やテレビドラマのオンライン配信が普及することは確実的で、大きな利益を生むと考えられるからだ。脚本家と同様に不満を募らせる俳優や監督らも足並みをそろえてストに突入することも十分に考えられ、ハリウッドが大混乱に陥る日も近いかもしれない。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
November 6, 2007 11:08 AM | トラックバック (0)
