2006年03月28日
広告業界に進出するハリウッドスター
最近スクリーンではお目にかかる機会がめっきり減っているデミ・ムーアが、広告業界でひっぱりだこといいます。ヴェルサーチの新しい顔に起用され、05-06年秋冬のキャンペーンモデルを務めているほか、イタリアのジュエリー会社、スペインのタイル会社、スパークリングワインと欧州で次々とCMに登場し、4社合計で計535万ドルも稼いでいるとか。
03年に「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」で3年ぶりに女優復帰したデミでしたが、それ以降は再びスクリーンから遠ざかることに。その間、欧州で数々のCMに出演していたのですが、アメリカのメディアは「映画のキャリアを忘れて広告でお金儲け」と冷ややかな目で見ているようです。
それはアメリカと日本におけるCM出演に対する意識の違いからくるもの。ハリウッドではCMタレント=仕事のない2流俳優というイメージが強いのです。日本ではタレントの人気を図るバロメーターとしてCMが存在しており、「CM女王」とか「CMタレント好感度」などという言葉も存在し、人気俳優や女優も頻繁にCMに登場しています。しかし、アメリカではハリウッドスターがテレビCMに出演するのは稀。映画スターとしてのステータスを維持するためと、国内では絶対に安っぽいCMには出ないというプライドから来るものだと言われています。法外なギャラが原因という人もいるようですが…。いずれにせよ、1本の映画で20億円を超える額を稼ぐスターたちは、安易にCMに露出してしまえば、映画館に足を運ぶファンが減ってしまうと考えているようです。
しかし、多くのスターは海外のテレビCMに出稼ぎ出演し、大金を稼いでいます。そのほとんどはアメリカ国内のファンに知られることはないからキャリアに傷がつかない上に、プロモーションのついでにお気軽に撮影ができて莫大なギャラを手に出来るとあって、彼らにとってはおいしい仕事と言われています。
日本でもメグ・ライアンがお茶のCMに登場したり、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーら大物が次々とCMに登場している他、スペイン、イタリア、韓国などでもハリウッドスターを起用したCMが多数作られています。これらの海外でのお仕事は、もちろん国内のファンには内緒。そのため、「恥ずかしい日本のCM」などのタイトルで時折、タブロイド誌が日本でのCM内容を暴露したり、海外のCMを暴露するウエブサイトも存在しています。
デミのCM出演を米メディアは冷ややかに報じるのはそのためなのです。
日本ではハリウッドスターのCM起用がめっきり減り、今や韓国人俳優にその地位を完全に奪われています。そんな危機感もあるのか近年、キャサリン・ゼタジョーンズが携帯電話の広告塔を務めたり、パリス・ヒルトンがハンバーガーのCMに出演したり、オスカー女優ハル・ベリーがレブロンのキャンペーンに登場するなど、「広告出演のタブー」を打ち破る動きが出ているも事実。ヨーロッパのブランドメーカーはハリウッドスターを起用したキャンペーンを多数手がけていますし、スターにとっても有名ブランドや化粧品のCM出演はイメージに悪影響ではないと考え始めているようです。
映画の興行収入が減り続けている今、ハリウッドスターも広告業界に進出する絶好の機会なのかもしれません。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
March 28, 2006 01:13 PM | トラックバック (12)
2006年03月21日
新ボンド、ファンに受け入れられるか
ダニエル・クレイグを新ジェームス・ボンドに迎え、世界各地で撮影中の「007」シリーズ最新作「カジノロワイアル」。先日、バハマでの撮影現場を取材する機会に恵まれました。世界各国から80名ものプレスを集め、大々的なお披露目。ダニエルをはじめ、ボンドガールのエバ・グリーンら主要キャストや監督、スタッフなど総勢16名のインタビュー、ビーチパーティー、花火にカジノ、キューバンシガー(キューバ製葉巻)とお楽しみが満載のパーティーなどで、連日盛りだくさんの取材でした。
この「カジノロワイアル」、実はボンドガールや悪役などダニエル以外の主要キャストが決まらないままクランクイン。その後もダニエルが撮影中に歯を折るけがをしたり、マニュアル車が運転できずに撮影が延期されるなど、悪いイメージばかりが先行していました。やっと主要キャストがそろってのバハマロケは、イメージ回復に向けたアピールの場だったのです。
エメラルドグリーンに輝くビーチ近くの土地をマダガスカルに見立てた撮影では、ジャングルの中でテロリストを追い詰めるシーンを撮影しました。何度も監督の要望に答えてカメラの前を全力疾走するダニエルは、新ボンドとしての意気込みは十分。「ボンドと共に育ってきたから、何が必要かは分かっている」と語り、新ボンドとしてのトレーニングにも余念がない様子でした。
2日間にわたる公開撮影では、ヘリコプターを飛ばしての空撮(写真では残念ながら撮影現場はお見せできませんが)も慣行。建設途中で倒産したホテル跡地での撮影では、ダンプカーがフェンスを突き破り建物に突っ込むシーンも撮影していました。
熱狂的なボンドファンらが、ネットで「ダニエル・クレイグのボンド役に反対」するボイコット運動を行うなど、周囲のプレッシャーも強いのです。それでも、「出来上がった作品を見て判断して欲しい」とダニエルは冷静。個性的演技派としてセクシーさと男臭さ、繊細さを兼ね備えた役どころを数多く演じてきただけに、どんなボンドになるのか、私はかなり期待しています。前作「ダイ・アナザー・デイ」でピアース・ブロスナンも取材していますが、ダニエルも負けず劣らずかっこいい! 監督やプロデューサーは、「タフで危険なセクシーさ、鋭さを持ち合わせたボンドになる」と話していましたが、その言葉どおりピアースのセクシーさとは違うちょっとダークで危険な匂いがするセクシーさを感じたのも事実。今までとは違う、新しいボンドが見られそうな予感がしています。
今作はジェームス・ボンドが007として殺しのライセンスを得るまでを描いた作品。今まで以上にボンドの精神面が丁重に描かれているといいます。そのため、アクションも今作はハリウッド映画の主流になっているコンピューターグラフィック(CG)を極力使わず、本物のアクションで勝負。いかにもCG的なド派手なアクション映画に飽き飽きしている人は、きっと新鮮で楽しめる作品になるはず。
この作品が成功すれば、ダニエルで007シリーズをフランチャイズ化していくことも検討されているといいます。初の金髪ボンド、ダニエル・クレイグがファンに受け入れられるかどうか、11月の全米公開を楽しみに待ちたいと思います。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
March 21, 2006 08:37 PM | トラックバック (1)
2006年03月14日
妊娠ブリトニーが離婚決意?
ブリトニー・スピアーズが、またまた妊娠と報じられています。しかも、離婚を決意しており、シングルマザーとなる覚悟も決めているのだとか。
昨年9月に長男ショーン・プレストン君を出産したばかりのブリトニー。今月に入り、人気ドラマ「ウィル・アンド・グレイス」にゲスト出演し、本格的に芸能界復帰を果たしたばかりです。今後は歌手業も再開させるはずだったのですが…。
20日付けの各タブロイド誌が、ハワイで撮影された下腹部がぽっこりのブリトニーの最新ショットを掲載。「Pregnant Again!(再び妊娠)」の文字が踊りました。確かに身体にフィットするTシャツのお腹部分はぽっこりと出ている感じだし、ビキニ姿の写真を見ても確かに妊娠しているようにも見えます。
しかし、この嬉しいはずのニュースは2人にとっては、決して手離しで喜べないものだったようなのです。今年に入ってすぐに妊娠が発覚したブリトニーは、すぐには夫に報告せずに、2カ月間に渡って妊娠の事実を隠してきたといいます。夫の様子を伺うためだったようですが、浪費癖や女遊びもまったくやめる様子がなく、堪忍袋の緒が切れたブリトニーがついには息子を連れて単身でハワイ行きを決めてしまったほど。妊娠を告げられた後のケヴィンは、予想外の妊娠にショックを受け、素直に喜べないでいるというから、もう致命的。
そんなケヴィンに対し、ブリトニーは離婚裁判を望んでいると告げたとか。逆にこのブリトニーの発言に焦ったケヴィンは、ニューオリンズ、ハワイとブリトニーを追いかけ、ご機嫌取りに必至。何と、ハワイではショーン君が生まれてから初めてケヴィンがベビーカーを押して歩く姿までがキャッチされました。ハワイでは久々の親子3人一緒の姿も目撃されましたが、それでもブリトニーの決意は固いようです。
ブリトニーはロサンゼルスを離れてハワイで子育てをすることを望んでいるとも言われており、今後の2人の様子からは目が離せません。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
March 14, 2006 04:53 PM | トラックバック (7)
2006年03月07日
アカデミー賞の関心度は…
今年のアカデミー賞は大方の予想を裏切り、人種対立を描いた「クラッシュ」が最有力候補の「ブロークバック・マウンテン」を押さえて作品賞に輝くという結果に終わりました。しかし、今年はインディペンデント作品のノミネートが多く、超ビックスターも不在ということで、「史上最低」の視聴率が懸念されています。
米各メディアはノミネート発表直後から今年のアカデミー賞について、「No Nicole Kidman」「No Tom Hanks」「No Julia Roberts」「No “Titanic”」「No “King Kong”」と盛んに繰り返し、大スターなし、大作なしの今年の賞レースを評していました。
実際に事前調査で42%の成人が今年の作品賞にノミネートされた5作品のうち1本も見ていないと回答しています。「ブロークバック・マウンテン」は7890万ドルで26位、「クラッシュ」は49位、「ミュンヘン」は64位、「グッドナイト・アンド・グッドラック」は90位、「カポーティ」は104位と、確かにいずれの作品も興行面ではビックヒットとは言えず、近年まれに見る関心度の薄さです。
さらに、主演男優賞を受賞したフィリップ・モア・ホフマンやノミネートされていたヒース・レジャーは、メジャー映画にも出演しているスターですが、やはり、Aリスト・スターと呼ばれる超ビックスターではなく、主演女優賞部門でもリース・ウィザースプーンとシャーリーズ・セロンの対決が注目されていたくらい。と、やはり華やかさにかける作品と顔ぶれが一番の要因となっているようです。
街角インタビューでも「アカデミー賞には興味がない」「見ないと思う」と答えた人が多く、今年のアカデミー賞への関心の薄さが反映されていました。この結果は映画のチケット売り上げと平行線をたどっており、映画へのファン離れがそのままアカデミー賞への関心の薄さをあらわしているとも言えるでしょう。
また近年、広告業界でもアカデミー賞の視聴率低下が問題となっています。「タイタニック」が11部門を総なめにした98年は、全米で5500万人が視聴しました。しかし、その後は低迷路線をたどり、03年は視聴者数3300万人で史上最低を記録。翌年は「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のおかげで4350万人まで回復したのですが、昨年は再び4150万人に減少しました。今年は03年のワースト記録を塗り替える可能性もあると、早くから関係者を悩ませていたのです。
もちろん、アカデミー賞は映画界で最も名誉ある賞であり、どれだけヒットしたかという数字ではなく、作品の質で決められるものであるのは当然のこと。しかし、どんなに良質な作品を作っても観客に関心を持ってもらえない世の中になってしまえば、それは作る側の自己満足で終わってしまいます。そして、大手スタジオはさらに質よりも数字を重視する作品を大量に作り出すことになり、良質な作品はさらに減少するという悪循環に陥ってしまうように感じてなりません。
今年はテロをテーマにした「ミュンヘン」や人種問題を扱った「クラッシュ」、同性愛を真正面から描いた「ブロークバック・マウンテン」など社会派作品が数多くノミネートされました。また、外国作品賞でもパレスチナ人の自爆テロを扱った「パラダイス・ナウ」が候補にあがり、イスラエル人犠牲者の遺族らが中心となった反対運動も起きるなど、本質とは違う部分でメディアの注目を集めた年でもありました。
政治やテロを扱う作品は今後も増えていくと予想されます。来年はどんな作品が候補に並ぶのでしょうか。題材を問わず人々の心に残る良質のエンターテインメント作品が今後も生まれ続けることを願っています。
March 7, 2006 03:59 PM | トラックバック (0)
