2006年01月10日

ゲイの恋愛映画vs政治映画

 いよいよオスカーシーズンです。今年のオスカーはゲイの恋愛映画vs政治映画という様相になりそうな予感です。

 昨年発表されたゴールデン・グローブ賞で最多7部門に輝いた「ブロークバック・マウンテン」が、前哨戦を制して有力候補に急浮上しています。そしてそれに対抗しているのが、本格派の政治映画4本です。石油をめぐる米国とアラブ王族とテロリストの本当の関係を描いた「シリアナ」は、ニューヨーク・オンライン映画評論家賞の候補になったほか、ロサンゼルス・タイムズ紙など有力紙でも絶賛されています。

 ミュンヘン五輪のイスラエル選手団殺害事件に迫った「ミュンヘン」は、イスラエル総領事から「表面的だ」と非難を受けたというマイナスな報道もありましたが、スピルバーグ作品の中でも傑作との呼び声が高いのです。ゴールデン・グローブ賞ではまさかの落選となりましたが、監督賞ではノミネートを果たしています。

 マッカーシズムに立ち向かったニュースキャスターを描いた「グッドナイト&グッドラック」は、ワシントン映画評論家協会賞の候補など全米の評論家から高い評価を得ており、監督2作品目となったジョージ・クルーニーは監督賞でも候補入りする可能性が高いとみられています。

 「シティ・オブ・ゴッド」で脚光を浴びたフェルナンド・メイレレス監督のハリウッド映画デビュー作となった「ザ・コンスタント・ガーデナー」は、ナイロビを舞台に巨大な陰謀が絡み合うスケールの大きな物語。各批評家賞で候補にあがっており、ブラジルの新鋭に期待が高まっています。

 「シリアナ」では製作と主演を、ベネチア映画祭で主演男優賞と脚本賞をダブル受賞した「グッドナイト・-」では監督もこなしたジョージ・クルーニーは、両作品でのノミネートの可能性も大。「ミュンヘン」のスティーブン・スピルバーグ監督も作品賞、監督賞でのダブル受賞も期待されています。

 昨年のハリウッドはなぜか、フィクションの政治映画が量産された1年だっただけに、これは当然の成り行きという気もしますが、有力候補の呼び名が高かった作品が、次々と戦線離脱するハプニングに見舞われたことも要因の1つになっているのかもしれません。

 「シカゴ」のロブ・マーシャル監督の期待作「SAYURI」やピーター・ジャクソンがリメークした「キング・コング」、オスカー俳優ラッセル・クロウとロン・ハワードがコンビを組んだ「シンデレラマン」、イギリス入植者と米国先住民のインディアンとの衝突を描いた「ニューワールド」など有力候補作品が、アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞のノミネートから漏れるという大混乱…。

 もはやどの作品、誰がオスカーに輝いてもおかしくない今年のアカデミー賞。果たして大方の予想通り、「ブロークバック・マウンテン」が輝くのか? それとも、スピルバーグ監督が「プライベート・ライアン」以来の受賞となるのか? ジョージ・クルーニーの2作品でのダブル受賞はありえるのか? はたまた、敗者復活の可能性は? 31日のノミネート発表が楽しみです。

January 10, 2006 03:31 PM

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