2005年07月19日
フォックスら戦闘機から試写演出
レーダーに探知されない戦闘機ステルス。そんな超ハイテク機を操るのが、もしコンピューターだったら…。人間パイロットvs人口頭脳搭載戦闘機のバトルを描いた最新作アクション「ステルス」のワールドプレミアが、サンディエゴの米軍基地内でド派手に行われました。
基地内は普段、一般人はもちろん立ち入り禁止。まして、外国人となれば入れる機会はほとんどありません。航空ショーなどのイベントを基地内で行う場合は例外ですが、基本的には入り口で身分証明書の提示が求められ、アメリカ国籍、もしくは永住権がない者はいかなる理由でも立ち入りができないのです。しかし、今回は米軍の全面的な協力で、そんな基地を「ステルス」のために世界各国のプレスにも開放したのです。
スクリーンを縦横無人に飛び回る戦闘機のハイスピードに加え、最新の特撮技術で戦闘機の「G」の世界まで再現した迫力映像が売り。主演は今年のアカデミー賞で故レイ・チャールズを演じてアカデミー賞主演男優賞に輝いたジェイミー・フォックス。コンビを組むパイロットには人気急上昇中の女優ジェシカ・ビール、そして甘いマスクと卓越した演技でポスト、トム・クルーズと呼ばれるジョシュ・ルーカス。なんと、この3人が映画さながらに戦闘機F18スーパーホーネットで登場し、アクロバット飛行を披露するというハリウッドらしい度肝を抜いた演出もあり、ワールドプレミアはかなりの盛り上がりでした。
普段なら周囲には一般人のファンが集まり、俳優らに黄色い声援を送るのですが、今回は基地内だけに集まったのは軍関係者やその家族らだけ。普段に比べると静かな感じがしたのもつかの間、耳が張り裂けそうな轟音とともに、3人を乗せた3機の戦闘機が次々と離陸。上空で次々とアクロバット飛行を繰り広げました。これにはさすがに誰もが驚き、「保険入っているのかな?」「失神してんじゃない?」「吐いてるんじゃないの?」などの声がもれていました。
着陸後はトレーラーハウスで戦闘服からスーツやドレスにお着替え。そしてレッドカーペットを歩くという超ハリウッド的な枠な演出に、さすがハリウッド! と感心しきりでした。戦闘機から降りてきたフォックスは、ガッツポーズで待ち構えるマスコミに笑顔で手を振るなど超ご機嫌。その後のインタビューではジェスチャーまじりに「狭くて、涙が出て、吐きそうだった」と戦闘機の中での様子を再現してくれました。
しかし、オスカー俳優が本物の戦闘機に乗ってアクロバット飛行するなんて前代未聞。ロブ・コーエン監督に「ちゃんと保険に加入させたんですか?」と聞いてみました。「彼らは勇敢に私のために保険にも入らず飛んでくれた」と答えたが、果たして本当はどうなのだろう? レオナルド・ディカプリオが飛行機を操縦するシーンがあった「アビエーター」で、本物の飛行機を操縦するために免許を取ろうとしたが、映画会社からリスクが高すぎるとして反対されたと言っていました。いくら腕の良い信用できるパイロットが操縦するにしても、戦闘機に乗るのだから多額の保険をかけたんだろうなあ。やっぱり。ルーカスは「僕が死んだらこの基地、いやカリフォルニア州を丸ごと買えるくらいの多額の保険をかけたさ」なんて、ジョークまじりで語っていたことだし…。
会場にはなんと、本物のリモコンで動く世界初の武器を搭載した無人ステルスの姿も。実は偶然にも映画の企画と同時進行で米軍も人口頭脳搭載のステルスの開発を進めていたのです。これを開発したボーイング社の開発者も、「映画の予告を見て驚いたよ。彼らは知らないはずなのに、僕のステルスにそっくりだったのだから」と驚きを隠せない様子。映画の中では、コンピューターが自我を持ってしまい、世界を破滅へと導くというストーリーだが、実際の無人ステルスは人間を助けるために開発されたもので、「人間の代わりになろうとか、敵になるものではない」のだそうです。
しかし、テクノロジーの進化はついに、ハリウッド映画の領域に達したというのは大きな驚きでした。マウスひとつで自由に動かし、爆弾を好きなところに落とせる「フライ・バイ・マウス」の異名を持つ無人ステルスまで誕生させたのですから、これからもきっとハリウッド映画の中で起きてきた出来事は次々と現実になっていくことでしょう。
しかし、コンピューター技術の発達で、どんどん世の中が便利になっていく一方で、テクノロジーの進化は必ずしも私たちの生活に良い結果だけもたらすとは限りません。「ステルス」はそんなことを、考えさせてくれる作品です。現実はハリウッド映画みたいに、なってはいけないこともあるのです。
July 19, 2005 01:42 PM
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