2005年02月01日
今年のオスカーは大混戦
先日、今年のアカデミー賞のノミネートが発表され、オスカーレースがヒートアップしています。日本ではまだ公開されていない作品もあり、日本の読者にはあまりパッとしないノミネート結果だったかもしれませんね。今年のオスカーノミネート裏をレポートします。
今年は作品賞にノミネートされた各5作品すべてが、監督賞、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞の主要部門のいずれかにノミネートされるという混戦を繰り広げており、近年稀な激戦レースとなっています。
「アビエーター」 監督賞、主演男優賞、助演男優・女優賞など最多11部門。
「ミリオンダラー・ベイビー」 監督賞、主演男優・女優賞など7部門。
「ネバーランド」 主演男優賞など7部門。
「Ray レイ」 監督賞、主演男優賞など6部門。
「サイドウェイ」 監督賞、助演男優賞など5部門。
監督賞にノミネートされていないのは「ネバーランド」のみ。主演男優賞にノミネートされていないのは「サイドウェイ」だけ。まさに、各作品とも主要各賞でしのぎを削る大混戦。最後まで各賞でし烈な争いを繰り広げることになりそうで、オスカーの行方はまったく分からない状況です。
そしてもう1つ気になるのは実話を基にした伝記ものが3本も作品賞にノミネートされていること。伝説の大富豪ハワード・ヒューズを描いた「アビエーター」、言わずと知れた盲目の天才シンガー、レイ・チャールズ、「ピーターパン」のモデルとなった少年と劇作家の出会いを描いた「ネバーランド」。伝記ものは本来、モデルとなった実在の人物がいるため、描くのが非常に難しく、凡庸になると言われている。昨年のトレンドだった伝記映画がオスカーにも影響を及ぼしているのでしょうね。
しかし、これだけレベルの高い作品が出そろいながら、今年のラインアップは「地味で無難」との声が数多く聞こえている。なぜなら、昨年一番の話題だったあの2作品が、作品賞の選考から漏れたからです。
反ブッシュ政権を描き昨年一番の話題をさらったマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー「華氏911」。キリストの最期の12時間を描いて物議をかもし出したメル・ギブソン監督の「パッション」。両作品とも賛否両論はあったが、作品の出来栄えから言っても作品賞ノミネートに充分に値するはず。政治、宗教という難しいテーマを扱いながらも、予想外の大ヒットで多くのファンに支持されこの2作品は、今年のアカデミー賞作品賞を語る上ではずしてはならない作品だったのではないか、と私は思います。
「政治と宗教を避けたノミネート」。発表の翌日のロサンゼルス・タイムズ紙はそんな見出しの記事を掲載した。米各メディアは、「華氏911」と「パッション」が作品賞ノミネートを逃したのは大きな驚きだと伝えている。
テレビ放映をした「華氏911」はドキュメンタリー作品部門からは除外されたが、作品賞のノミネートは最後まで期待されていた。ブッシュ米大統領に「恥を知れ!」と受賞スピーチで怒鳴ったこともあるムーア監督は、作品賞ノミネートに強気な姿勢を見せていた。選挙ではブッシュ大統領に敗北したが、この作品でオスカーを手にし、「ブッシュよ。今度は俺の勝ちだ」と叫びたかったのではないだろうか。ムーア監督の一ファンとしては、その瞬間を見られなかったことはとても残念でたまらない。
何はともあれ、2月27日には授賞式が行われる。今のところ、作品賞は「ミリオンダラー・ベイビー」が「アビエーター」を1歩リードと予想されている。主演男優賞はゴールデン・グローブ賞を受賞したレオナルド・ディカプリオとジェイミー・フォックスの一騎打ちで、監督賞はクリント・イーストウッドとマーティン・スコセッシの対決となりそうだが、どちらに軍配があがってもおかしくない。
個人的には今年の最高傑作だと思う「ミリオンダラー・ベイビー」に作品賞・監督賞を、主演男優賞はこん身の演技でレイ・チャールズをスクリーンに見事に蘇らせたフォックスにオスカーを取って欲しい。
最後までどうなるか分からないオスカーレース。授賞式が楽しみです。
February 1, 2005 04:48 PM
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