ヨシネーのひとりごと

プロフィル

★本名:保坂淑子(ほさかよしこ)。秋田県出身。★経歴:日刊スポーツ出版社在籍中は、「プロ野球ai」「輝け甲子園の星」のデスク担当。平成14年、退社しフリーに。現在は「プロ野球ai」デスク担当。「輝け甲子園の星」では“ヨシネー”として連載を持つ。甲子園には春5回、夏10回(記者として)出場!?プロ野球、アマチュア野球を中心に執筆中。

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2008年08月18日

常葉菊川、楽しんでやった準優勝。悔いのない夏にーー

8-18-A.jpg「楽しんで野球をやっています!」この大会中、常葉菊川の選手たちは口々にそう言いました。
 
 持ち前のフルスイング野球。よそ行きの野球はしない。いつも、バッティング練習はフルスイング。野球を始めた小さい頃、バットを振るのが楽しかったように――。今もその思いは忘れません。選手たちは面白いようにバットを振ってダイヤモンドを駆け回り、倉敷商戦から3試合連続でビッグイニングを作りました。
 夏の県大会前、佐野監督は選手たちにこう言いました。
「僕らはプロじゃない。アマチュアは負けても意味がある。だからお前ら、負けてもいいぞ。楽しくやろう」と。
「最初は何を言っているんだろうって思いました。でも、それまではどうしても勝ちたいという気持ちがあったけど、まぁいいかって思うようになったんです」(前田君)
そこには、少しずつプレッシャーから開放され、伸び伸びとグラウンドを駆け回る選手たちの姿がありました。
 6月にはチームの不祥事でどん底まで落ちました。
「人生の中で、いいこと、悪いことがあるのは当たり前。その悪いことがあったときに、前を向く人間と、斜めになる人間では評価が変わる。やるなら前を向くしかない。今のお前たちがやることは? 1つの球を追いかけるしかないだろう」と佐野監督は選手たちに語りかけました。その後、行われた練習試合が転機に。それは奇しくもこの決勝戦と同じ相手、大阪桐蔭でした。
試合は1対10と大敗。しかし、選手たちはその大敗よりも大阪桐蔭ナインの全力疾走でボールを追いかける姿に心を打たれました。
「僕らももう一度やろう」
この試合を境に選手たちは前向きに変わっていきました。これまで以上に選手同士で声をかけあい話し合う。それぞれが支えあい前を向きました。

 一度、バラバラになりかけた心を、「絆」という言葉でつなぎとめた。みんなで支えあえば、僕らはもう一度立ち上がれる。そう、信じてここまできました。
持ち前のフルスイング野球で、甲子園を思う存分楽しんだ。
「楽しんでやった。だから悔いはない」しっかり前を向いて見せるその笑顔には、本当の強さが潜んでいました。

August 18, 2008 11:13 PM