2007年04月01日
今、心から言える。両親に、「ありがとう」の言葉を。
「あの時、辞めなくって本当に良かったです」 杉谷翔貴君(右翼・3年)が嬉しそうに話してくれました。
あの時とは…。昨年の秋の大会。予選はレギュラーとして出場も、打撃の不振から背番号は13番に落とされベンチに。ショートを守る弟の拳士君(2年)は、夏の甲子園もベンチ入り。秋もレギュラーとして活躍していました。そんな弟の姿を見ると、悔しさがまたこみ上げてきます。
「そのときは、落ち込んでワケがわからんかうなって。何で俺、野球やってんだろ、って思っていました」
家に帰ると弟がいる。小さい頃から兄弟の野球に熱心で厳しい両親。誰とも話したくない気持ちで、すぐに部屋に閉じこもる。
「もう野球なんて辞めてやろうって思いながら、部屋でふてくされていましたね」そんなとき、両親から「何のために野球をやっているの。やりたくないんだったら、辞めなさい!」と怒鳴られました。
「クソーって思いましたね。逆に、やってやろうって思いました」
翌日、翔貴君は、バッティングの何が悪いのかをもう一度見直しました。それまでは引っ張って長打を狙うバッティング。そこで、監督が一言アドバイスをくれました。
「オマエはパワーがない。遠くに飛ばす力があるなら、最初から3番に置いているんだぞ」と。
あらためて逆方向へのつなぐバッティングの練習を始めました。足が速い翔貴君。それを生かすためのバッティングを最初から監督は見抜いていたんですね。自分の生きる道を見つけたのです。12月、ひと皮むけた翔貴君に監督が一言声をかけました。
「センバツ行くぞ!」と。
「よっしゃー俺の番が来た~って思いました!」。
そして、今日。初回に満塁ホームラン! あれ~翔貴君、長打を狙わないんじゃなかったの?
「そうなんですよ! 全然狙ってませんでしたよ。自分でもビックリして焦っちゃいました!」とニコニコ。やったね! ホームランを打った気分は?
「気持ちよかったですね。長打の感触を思い出しました!」と。
でも、その後でちゃーんと付け加えてくれました。
「でも、次からはまたつなぐバッティングを心がけますよ」うーん、ちょっと期待しちゃうけど、そこはチームバッティング。そんな時、翔貴君の頭をよぎるのは、
「何のために野球をやっているのか」という両親の言葉です。
つなぐバッティングに徹してこそチームの一員。翔貴君は思います。試合に出て、チームの勝利に貢献するために、今、自分はいるのだと。
「両親から、あきらめずにやっていればいい結果が出る、ということを教わりました。あの時、辞めなくてよかった。今は両親に感謝の気持ちでイッパイです!」
今、笑顔でそう話す翔貴君がとっても強い人間に見えました。
写真は前列左から2番目が杉谷翔貴君。兄弟揃って負けず嫌いなんだって。
April 1, 2007 07:17 PM
